2017年10月19日木曜日

研修18日目 2017.10.18



とうとうスウェーデン滞在最後の日となりました。明日にはもう飛行機に乗って日本へ帰る予定です。いろいろ思うことはありますが、最後の一日、楽しんでいきます。

青柳はとりあえず今朝も湖のほとりをジョギングです。
滞在中お休みの日にはちょくちょく走っていました。ちょっとひんやりするぐらいの空気の中走り始め、だんだんと街が明るくなって体が温まっていくその変化を楽しんでいました。ホテルが湖のすぐ近くで、いつものコースにすぐ来れるのも、サボりぐせのある自分には合っていたと思います。シューズを持ってきて本当に良かった。

走っていると曇り空から日が差してきました。
コースも頭に入り、日々タイムが更新されていく喜び。
帰国後に健康診断もあるのです(笑)

ところどころにかわいらしい一軒家が。
北欧には本当にデザインセンスを感じます。

お昼ごろに3人で外出し、買い物をしながら以前お二人が休日に行った、日本語のメニューのあるお店に向かってぶらぶら歩きます。2日目にも同じコースを3人で歩いたのですが、その時の曇り空とは正反対の快晴でした。2日目には誰もまだ施設研修に行ってなかったんだな…などと考えながらお店に到着しました。
前回お二人はトナカイ肉を食べたとのことで、青柳も今日はチャレンジすることにしました。トナカイ初体験です。まず運ばれたのは今日のスープで、ニンジンのポタージュでした。とっても濃厚でクリーミーなスープ。とても美味しかったです。そして運ばれたのがトナカイ肉のステーキ。ちょっと独特の癖があるような気もしますが、クリームのソースと、こっちに来てもうおなじみになったベリーのジャムがうまくマッチして、これも美味しくいただきました。
にんじんスープ。絶品でした。

トナカイ肉。ボリュームも結構あります。
最終日に北欧らしいメニューを食べることができ、満足してこの旅も締めくくりです。


さて、最後にスウェーデン研修の感想を。
日々何があったかはほぼブログに乗せたので、改めて今感じていることをなんとなく書きつづりたいと思います。

この研修については入社時から知ってはいました。が、『どうしても行きたい!』といった感じでもなく、『まぁ、もし機会があったら行きたいかな』ぐらいのものでした。そうして日々を過ごし、今年は舞浜倶楽部に入社して4年目、介護福祉士を取得したのですが時にケアにおいて知識の不足を感じることも。また、入社からずっと同じユニットにいたため、自分の中で軽いマンネリがあったのも事実です。今回の募集を知ったのはそんな時でした。
ちょっと興味が湧いたところで説明会に出て研修について知り、過去のブログも読み返して、だんだんと行ってみたい気持ちが高まってきたのですが、一方で『海外研修なんて大丈夫だろうか』『言葉はどうするんだろう』『1か月は長いな』『もし行っても何もできないんじゃないか』『タクティール認定取れてないし』といった様々な不安がありました。迷っているうちに締め切りが来てしまい応募、筆記と面接の試験に臨んだというのが本当のところでした。
それでもスウェーデンの国について調べ、志望動機を考え、スウェーデンケアや舞浜倶楽部について学びなおしたりするうちにどんどん気持ちが高まってきて『ここまで来たら行ってみたいな』ぐらいにはなってきていました。目まぐるしい一週間の試験期間を終えて、3人全員合格と知らされたときは頑張りを認められたような気もして、とても嬉しかったのを覚えています。

青柳が今回の志望動機、および研修中の目標として考えていたのは①福祉用具の使用について②ユニットのアクティブについて③職員待遇や働き方について④その他なんでも学ぶ⑤観光 といった感じでした。スウェーデンは福祉国家で、いろいろな社会保障が充実していて、高齢者のケアについても最先端をいっているらしいから、きっといろんな新しい発見や知識を得ることができるはず!、と期待しながら準備をし、タクティールを頑張り(中島さん、ユニットの皆さん本当にありがとうございました)、とうとう出発の日を迎え、今回スウェーデンにやってきたわけです。

滞在中は本当にいろいろなことを学びました。詳細はブログ及び今後の報告会などで共有させてもらうとして、最初の1週間ぐらいはスウェーデンで見るものすべてが新鮮で、施設以外の場所でもいろんなものが珍しかったです。施設で実習をしていても、毎日の時間の流れ、いろいろなアクティブ、入居者への対応の仕方やケアの考え方、人員配置、毎日のシフト、職員間のコミュニケーション、家族対応、施設の設備…などなど。
特に、他の2人も書いていたと思いますが、『自己決定』の考え方や、それに基づいて実施されるケア、入居者と職員の距離感や関係性について、よく目にし、そして考させられる機会が多かったです。歩行や食事に関して、ウチなら付き添いだ介助だ、となるところをここではしっかり見守ったり、声をかけるのみにとどめている。舞浜倶楽部も『人格の尊厳』として、ここと共通の理念を謳っているのに、なぜこんなにも自分のユニットと雰囲気が違うんだろう、と。入居者の数?認知症の重さ?職員の経験?施設の広さやハード面の理由?スウェーデン人の国民性?もちろん日本と単純に比べることはできないのはわかっていますが、最初はなぜなんだろうなぜなんだろうと、ずっと考えていました。もっといえば、いままで自分のやってきたこと、日々ユニットで業務に追われていたあれは本当にケアだったのだろうか、というぐらいの思いまで、ふと感じていました。帰ったらどうすればいいんだろう、と。
そんな気持ちで当初はいましたが、だんだんと研修をこなして雰囲気に慣れて、いろんなことを教えてもらっていくうちに、ここのユニットも決して完全ではないんだ、と思うようになりました。毎日変化する入居者に対して職員も解決方法をみんなで考え、実行し、記録をして評価、というおなじみのサイクルでケアにあたっており、それは日本でも一緒だと。その途中でいろいろな壁があり、職員もイライラすることもあり、入居者の方も不穏になる…、そういったところも見えてくるようになりました。スウェーデンだからすごいんだ、という先入観があったような気がします。ただ、ここの職員は経験が長い人が多く、対応一つとってもちゃんと経験や知識に基づいて提案しており、そこは勉強させてもらおうと思いました。それからはもう肩の荷が下りたような気がして、残りの期間は、この施設と自分の施設との違いに焦点を当てて悩むよりも、自分がここの施設の職員として振舞いながら入居者と過ごし、ユニットの特徴を感じながら日々を過ごし、最終的にその雰囲気を持ち帰るようにしようと決めました。そう決めてからは毎日楽しく、考えすぎることなく日々過ごせたような、そしてそれはとても充実した日々だったといま思っています。研修中の写真を見返してみると、自分が楽しそうに写っている写真がたくさんあり、知識を得るよりももっと大切なものを経験できたのかな、と実感しています。

最後に一緒に研修に参加したお二人へ感謝。
2人とも富士見の方ということで、新浦安の自分は選考試験が初対面でした。そんな方と一緒にスウェーデンに行き、しかも長期にわたって滞在しなければならないということは、正直、人付き合いの苦手な自分にはハードルが高いように感じてしまっていました。
しかし、実際に現地に来てみると、そんな心配はいりませんでした。三浦さんはいつも気づきのある方で、あれしようこれしようといろいろ提案してくれて、すごいなぁと思っていました。毎日の食事も工夫しながら作っており、自分はあんまりお手伝いできないままでしたが、でも本当に助かりました。ケアについて話しても、しっかり考えて日々の研修に取り組んでいて、自分もしっかりしなくては、と思うことも多かったです。石井さんはスウェーデン2回目ということで、街にも色々と詳しく、おススメの観光地などを調べてくれたりもして、ありがたかったです。また、ブログを読んで思うのは、とてもセンスのある繊細な文章だな、ということです。読むだけでその情景が浮かんでくるような気にさせられることがよくありました。そしてそれは石井さんの人柄も表しているような、そんな気がします。
今思うのは、この3人でスウェーデンに来ることができて本当に良かったということです。

研修はこれでいったん終了ですが、むしろ日本に帰ってからのほうが大切ということを忘れず、スウェーデンボケにならないように気を付けつつ、毎日を過ごしていきたいと思います。
今回の研修に関わって下さった多くの皆様、本当にありがとうございました。

H.A


 さぁ、本日で本当の本当に最後の一日になりました。明日はフライトのため、街歩きや思い出の場所に行ってほっとすることも最後になります。やっぱり寂しいですね。充実した研修をさせてもらった施設を離れることも、慣れた街と離れることも。街歩きしながら心の中も整理します。


デコレーションかわいい!
まず出発前に簡単にスーツケースに荷物を詰めて、持ち物の確認と整理をします。ひと段落ついてから地下鉄に乗ってT-Centralenから新市街を歩いて買い物をしつつ、ガムラスタンに向かいます。今まで無かったイルミネーションのデコレーションがしてあり、夜はきれいなんだろうなと思います。ガムラスタンでは”3人で帰国直前にスウェーデン料理を食べよう!”と決めていたため、日本語メニューのあるお目当てのお店に入ります。以前トナカイ肉を食べたお店です。店員さんがとっても気さくで、たまに日本語でお話ししてくれます。一人ひとり別のメニューを頼みましたがどれもおいしく、量が多かったです。店内は落ち着く雰囲気でゆったりとする事ができました。食べながら研修の事を思い出したり、窓から見える光景になかなか来れる所じゃないからなぁと思い、寂しさが増します。

さぁて、何を食べようかな

それぞれ食べたいものを
私は自分のご褒美にステーキを♪
 
ガムラスタン
素敵な街です
また何度でも来たくなる街
昼食後はガムラスタンの街歩きとお土産屋さんを見て行きます。そのまま新市街まで歩き、今まで歩いたことのない少し離れた学校があるエリアまで歩いていきます。途中で教会に立ち寄り、落ち着いて暖かい雰囲気に包まれました。その辺りはローカル感のある地域で、観光客がくるような雰囲気はありませんでした。引き返して途中にあった小さな丘の上の公園に行き、ベンチに座ります。「もう明日帰国だね。」と口数少なく過ごします。それぞれ何か考えているようです。私も研修を振り返ります。

公園のやさしい木漏れ日の中で振り返り
風は冷たいですが

 研修ではまずベッドメイキングの仕方が分からなかったり(これがベッドカバーか!この足元にかけた布は何?とプチパニック)、テーブルセットもよく分からず、ケアを学ぶだけでなく、一般マナーについても知ることから始まりました。調理についても「○○を作るよ」と言われても何その料理?と完成した形が分からないまま調理をして、完成しても”何この料理は?”と思うこともしばしば。毎日覚えることが沢山あり、実際に介助ができるまでに、担当のRaquelさんに色んなことを学びました。言葉で教えてもらうことももちろん、行動や声掛け、表情、ジャスチャーから感じる事も多く、実際の現場を見て感じ取ることが沢山ありました。スウェーデン語が分からない私ですが、ご入居者と笑い合えたり、一緒にフィーカをできたことは、施設のスタッフの方々にサポートしてもらっていたからです。三浦さんの担当のErikaさんは、チームワークの良さに「小さな家族みたいでしょ?二人を受け入れると決まってから、皆と同じように関わりたいと思っていた。」と仰っていました。本当にその気持ちが嬉しく、出勤退勤時にはハグをして挨拶したり、「Are you OK?」と皆が気にしてくれたり、本当に暖かいメンバーの一員に少しでもなれたことがとても嬉しかったです。

 Raquelさんと一緒にいて感じた一番強い印象は、スタッフとご入居者、家族に対して愛情を持っていること。愛はすべての源だと仰っていたこと。関心を持つことから何でも始まっていくんだと感じます。皆さんは愛していますか?私はご入居者のケアについて考えることが多く、スタッフ同士のことについては考えが及んでいなかったことを反省しました。今ではもっとこう声をかけたいなとか、もっと仲間を大切にしあいたいなと思っています。皆がみんな愛情を持つべきだ!とは思っていません、色々な人がいて、色々な価値観があってチームは活きていくと思っているからです。お互い尊重しあっていきたいです。これからは私からの愛情を気持ち悪がらず、受け取ってもらえると嬉しいです(笑)先に言っておきますと、愛情の形は優しいだけではないですからね、そこはあしからず。

 また一番身近で助けてもらったのは三浦さん、青柳さんのお二人です。三浦さんは同じ職場で、学会に一緒に行ったりお話しすることもあり、とても心強かったです。研修に一緒に参加することが決まってからさらに食事に行っていろんな話をする中で、三浦さんと一緒に働けて嬉しいなと思っていました。スウェーデンではアパートメントで料理を考えたり、調理したりと考えて下さったことありがとうございます。いつも細かなところまで気付いて、心配りしてもらったこと、本当にうれしくて安心しました。私はもっと料理の腕を磨かないといけないなと思っています。また、私のフワッとした発言に対してびしっと返答して下さって助かりました。同じ施設の同じ階で実習なので、今日の出来事を話したり、ケアについてこれは良いよね、これはどうなんだろうねと正直に話し合って共有できたことがとても良い時間になりました。別のユニットだと分からないことや違いもあるため、すり合わせられたことでお互いの収穫を分け合えたことも、二人の価値観を共有できたことも貴重な体験でした。いつもありがとうございます。
 青柳さんは選考が始まってから初めてお会いして、決定してからも施設が別なためなかなか接点を持てずに研修がスタートしました。いつも背筋が伸びていて、冷静な青柳さん、女性2人と一緒で少し疲れてしまったかなと思ったり、心配したこともありました。アパートメントも部屋割りであまりくつろげなかったかなと思ったり。それでもいつも「大丈夫ですよ。」とケロッとしている青柳さん。別の実習先のため、ブログを見たり話を聞いてそれぞれの施設の情報共有ができたこと、嬉しかったです。いつも落ち着いて一緒に研修ができたこと心強かったです、いつもありがとうございます。
 お二人とは研修後の取り組みもありますし、今後も一緒に考えていけたらいいなと思います。これからも力を合わせてお願いします。

 長期研修を設けて下さった本社の方々、忙しいなか施設を抜けるということで負担をかけてしまった富士見の皆さん、ブログを読んでくださった方、コメントをいただいた方、私の家族も本当にありがとうございます。貴重な体験ができたことを皆さんに感謝します。これを個人の収穫にせず、日本に帰って会社に還元できるようにしていきたいです。皆さんと研修のお話をして色んな気持ちを共有したいです。お話しさせてください。よろしくお願いします。

N.I

 本日は研修最終日。3人ともお休みです。昨日までに今日の予定は相談してありましたので、朝もゆったりと余裕をもって過ごしました。(青柳さんは早朝ランニングに行っています)今日も見事な青空でした。
ガムラスタンのカフェ・イッレで昼食を食べること、日本へのお土産を買うこと、あとはストックホルム市内を満喫すること(ザックリしています)が本日の予定です。
私と石井さんは二度目、青柳さんは初めてのカフェ・イッレへお邪魔し、最高の昼食を楽しんだ後に街をブラブラ歩きます。ちなみにカフェ・イッレでは、日本人観光客の4人とも偶然一緒になり、少しお話をさせていただきました。街歩き中は、3人ともそれぞれに思い出に浸りながら歩いていたと思います。私は「本当にやり残したことはないかなー」と考えたりしていました。

 街歩き中に見かけた建物。
ちょうど14時で時計が鳴り始めました。
呼ばれたような気がして3人で近づいていきます。

敷地内にきれいな銀杏の木がたくさんありました。
看板には「ADOLF FREDRIK」と表記してあります。

大きく、きれいで白目の内装の教会です。中も明るく、オープンな印象です。
ちょうど、赤ちゃんを連れたパパやママが集まって、牧師さんがお話をされていました。
その会が終わるまでは、イスに座って静かに見学します。
赤ちゃんなので、途中ぐずったり泣きだす子もいますが、自由に抜けたりあやしたりと、とてもアットホームな感じで会が進められています。パパが赤ちゃんを連れて参加している方が多いのがとても印象的でした。日本は未だにママ参加率が圧倒的に高いのではないでしょうか?エミルさんから、スウェーデンも共働き世帯が多いと聞いています。
きっと男性も自然に子育てに参加していて、社会もそれを認めているんでしょうね。

 会が終わって解散したところで近づいて写真撮影。
キリストさまが光に照らされています。

天井を見上げるとこれまた素敵な絵が!
キリストが処刑され、復活されるまでを描いているようです。

今回のスウェーデン滞在で教会は5か所、行くことができました。
その内、偶然入れたのは今回の教会も含めて3か所です。
目的もなく、ブラブラ街歩きしていても教会に巡り合えます。

こちらも2階まで席があり、たくさん人が集まれる教会です。

帰ろうとしているとスタッフの方から声を掛けられました。
「どうしてこちらに寄られたんですか?」と。「観光です」と答えます。(面倒なので)
「日本人の方ですか?」「はい、そうです」と答えると両手を合わせて「こんにちは」ととびきりの笑顔をくださいました。日本人観光客は珍しかったのでしょうか。

さて、いよいよ明日がスウェーデンから日本へ帰国する日です。何度も言いますが、20日間あっという間の時間でした。ブログでも毎日、出来るだけご紹介してきたつもりですが、とても充実した内容の濃い日々でした。
施設実習では、エリカさんという本当に尊敬できるケアスタッフと出会い、担当していただくことで私は職種は違いますが、たくさんの学びと気づきを得ました。スタッフ間のコミュニケーションとチームワーク、リーダーシップの取り方。ご入居者との信頼関係の築き方、コミュニケーション方法の工夫、本人の自己決定を大切にすること、ご本人の要望に出来るだけ対応すること。介護技術の面でも福祉用具を正しく合理的に使用することやベッドの高さを細かく調整して相手も自分も守っていくこと、次にケアに入る人の為に細かく配慮しておくこと。ご家族とはやはり信頼関係をどのように気づくか、要望を実現する為の努力やその報告の大切さ等々。数え上げたらきりがありません。スウェーデンという文化も福祉の体制も違う土地で学んだ事なので、すべてを日本で取り入れられない事も理解していますが、きっとその中でも取り入れられる事はたくさんあると思います。舞浜倶楽部でどのように取り入れ、ご入居者やご家族へのサービスの向上、働いている職員の満足度の向上に繋げられるかを考えていくのが、今後の私達の大きな宿題だと思っています。
スウェーデンの観光でも、ガイドブックに載っているところはほとんど出向きましたし、教会や博物館等もたくさん、堪能しました。お食事もスウェーデンの伝統的な物から日本食はどのように現地の方に楽しまれているのか、まで体験することができました。ストックホルム市内は都会的で暮らしやすいですが、湖や森林、公園等の自然も十分にあり、旧い町並みがそのまま残っている地区もあり、観光スポットはたくさん。そしてどこに行っても街並みが絵になる素敵な街でした。一人で歩いていて怖い思いをしたこともありませんし、地下鉄も整っていて移動するのも楽でした。(もちろん、エミルさんの案内が初めにあっての事です)再び来ることができるなら、是非、夏に訪れたいと思います。

また、最後になりますが、今回の研修で一緒に行った石井さんと青柳さんにも感謝の気持ちを伝えたいと思います。
青柳さんの存在を初めて知ったのはスウェーデン研修の試験の時でした。それまでは同じ会社で働いていながら名前する知らなかったです(ごめんなさい)。研修枠は2名のところ、3名の応募者がいて初めは「富士見の二人でいけたらいいのに」と正直思っていました(かさねて本当にごめんなさい)。ですが、筆記試験で2日間、面接でさらに2日間とお会いして同じ時間(試験はつらい時間でしたね)を共有するうちに「あー自分も絶対行きたいし、せっかく3人で頑張っているんだから3人で行かせてくれないかなー」と勝手な想いが強くなっていました。結果的に社長たちの計らいで3人で特別に行かせていただけることが決まった時の喜びは未だにはっきりと覚えています。その直後、興奮覚めやらぬ時に青柳さんとまともに会話したと思います(たぶん)青柳さんの印象は日本にいた時から今日まで全く変わっていません。「クールで口数は少ないけど、話すと熱い思いも持ってるし、とても優しい人」という印象です。実習先が2か所に分かれる事が決まった時に迷いなく「自分が一人で行きます」と遠い方の施設に行くことを名乗り出てくれました。それがどういうことなのか、実際行ってみないとわかりませんでした。本当に遠い施設で、あの道のりを毎日通勤する自信は私には無いですし、一人で日本からの研修生としてスウェーデンの介護施設に行く勇気も…。また、海外での長期研修でしたので、今んな意味で男性にいてもらえると安心でしたし、アパートメントでの生活での家事も自然と手伝ってくれて、時には一品作って待っていてくれたり、とても器用な面も発見しました。トイレットペーパーもよく受付にもらいに行ってくれましたね。そして、環境的に1LDKでの女性二人との共同生活(青柳さんの寝起きするリビングには扉すらありません)、気疲れもあったでしょうが、それを感じさせない様子で休みの日には早朝ランニングに行き、私達の気ままな街歩きに文句も言わずに付き合ってくれたり、本当にありがとうございます。きっといい旦那さんになると思います!またまた、今回の研修ではパソコンとデジカメ、携帯を駆使してブログを毎日頑張りましたが、それらの電子機器の不具合の際にも青柳さんは大活躍でした。本当に頼れる存在でした。研修が終わったら、職場で会っても知らんぷり、は無しでお願いします(笑)私は勝手に親近感を持っていますので。新浦安フォーラムにはスウェーデン研修の先輩も複数いますし、その先輩方やブログを通じて共有してくれていた方達と頑張っていける体制がきっとあると思います。青柳さんなら今回の研修の成果を現場でもいかんなく発揮できると確信しています。もちろん、私が力になれることはお手伝いしますよ。そしてたまには、スウェーデン研修同期会を開催して思い出に浸るのもいいですね。
石井さんはもともと富士見で一緒に働いていて職場以外でも学会や食事に一緒に行く仲だったので、とても心強い存在でした。以前にスウェーデンに来た経験がある石井さんは、私にとってはリサーチャーであり、ガイドであり、時に自撮り棒代わり(笑)にもなり、そしてなにより最高のルームメイトでした。石井さんと同じ施設に実習に行けたからこそ、互いのユニットで知らない事を共有しあえたり、休みの日も「○○さん、今日はこんな様子でしたよ」「こんなアクティブがあったんですよ」と情報をもらえたりして、私だけではうまくいかなかったかもしれませんが、石井さんのおかげで施設実習をより充実した物にすることができました。そして、一番ありがたかったのは施設実習が始まってすぐ、私がいきなり風邪をひいてしまった時に温かくて食べやすいポトフを作って待っていてくれたことです。(ちなみに風邪薬もいただきました)今思い出しても涙が出そうになります。そのおかげで早目に持ち直し、無事に研修期間を終えることができました。石井さんの介護に対する想いもラッケルさんという素晴らしい担当者と出会い、たくさんの学びと気づきを得て、変わったところと変わらずに強くなったところがあると思います。今回の研修が終わっても石井さんとは富士見サンヴァーロで一緒に働くことができるのが、私にとって大きな励みになっています。一人では伝えられない事も石井さんと二人なら自信をもって伝えられると思うし、私が伝えきれなかったことを石井さんがフォローしてくれると信じています。日本に戻ってからも、私はケアマネジャーとして、石井さんはケア職員として立場は違いますが、富士見内では唯一のスウェーデン長期研修経験者そして同期生として、一緒に頑張っていきましょう。富士見サンヴァーロでもきっと私達を温かく受け入れてくれる体制が整っていると思います。
今、心の底から思うのは「今回のスウェーデン研修をこの3人で来られて本当によかった」と言うことです。お互いに補足しあい、共有し合いながら施設実習も観光も楽しみ、満喫することができました。二人の想いや考えに共感したり、エピソードに刺激を受けたり、普段話せない事を話せたことで研修がより充実した事は言うまでもありません。日本を離れて異国の地で3人で協力できたからこそ、大きな事故や怪我、トラブルもなく、過ごす事ができました。もちろん、一人一人の努力があったからこそ、です。私は一番年上で会社での勤務年数が長いのにも関わらず、二人にお世話になるばかりだった事を反省しています。もっともっとしっかりしないといけません。

とりとめもなく、思いつくことを書いてきてしまいましたが、しっかりまとめて皆さんに報告するのはスウェーデン研修の報告会とさせていただきたいと思います。私の研修の目標達成度合いは現時点で70%でしょうか。この数日は寂しい気持ちと嬉しい気持ちと日本に帰るのが楽しみな気持ちと荷物をまとめるのが面倒な気持ちといろんな感情が入り乱れていて、気持ちの整理は到底つきそうもありません。
ですがまずは、これまでスウェーデンでお世話になった方々、一緒に研修した二人、日本で温かく応援してくれていた方々に感謝の気持ちを伝えたいです。こんなに楽しく充実した研修ができて本当に感謝しています、ありがとうございました。タックソーミュッケ!

富士見サンヴァーロ 三浦

2017年10月18日水曜日

研修17日目 2017.10.17

今日でとうとう最後の研修となりました。青柳は8時からです。
10月の頭よりも季節が進み、木々もより黄色に色づいてきました。まだ薄暗い中を歩いていきます。

8時にゆっくり申し送りをしてから、いつも通りモーニングケアに入っていきました。
訪室のたびにカニヤナさんが、『ヒロは今日で最後なのよ』と説明してくれます。

申し送りの時から、ある方が軽い興奮状態で当たりかまわず話しかけており、だんだんと機嫌が悪くなってしまいました。時折こちらを気にしているそぶりも見せています。あとから聞くと、この方は昨晩一睡もせずユニットを徘徊していたとのこと。また、話の内容としては、青柳のことを子供だと思っており、職員はいつもパンなどを朝食代わりにかじりながら申し送りをするのですが、朝食を済ませてきたためにコーヒーしか飲んでいなかった青柳のことが気になったらしく、他の職員に文句を言ったり、自分がいろいろと世話を焼かなきゃ、というモードになっていたとのこと。カニヤナさん曰く、割とよくあることだそうで、慌てることなくみんなで代わるがわる声かけをしていましたが、こうなった場合の彼女の対応は気を遣う、と言っていました。

今日の昼食は、キッチンでピザを焼くそうです。なんでもこれはアクティブの一環で、今日は『イタリアンデー』だそう。午前中からユニットにはトマトソースのいい匂いが漂っています。昼食前にはシルヴィアシスターのビエラさんが広い部屋にみなを集め、イタリアに関する曲を聴いたり、映像を観たりといったアクティブを実施してくれました。だんだんと気分が盛り上がってきたところでユニットに戻ると、ちょうどピザが焼きあがったところ、という段取りです。

今日は飲み物のグラスもいつもと違う感じ。
実際にワインを飲まれる方も。

しっかり焼きあがりました。
美味しそう‼

いい匂いに食欲が刺激されたのか、皆さんおいしそうに召し上がっています。不穏だった方も大丈夫。スウェーデンのスタイルではありますが、失礼ながらいつもワンプレートの食事を召し上がっているため、今日のピザはいつもの食事とは違って見えました。ここではたまに職員手作りのおやつや特別な食事が提供されるため、マンネリに対するアクセントになっているような。職員の皆さんはレシピを見ながらですが、とても上手に調理をされています。

また、いつも居室で召し上がるBさんという方がいるのですが、今日は最後ということもあり、軽く食事介助をしつつ隣で過ごさせていただきました。この方は背中のタクティールをしてから自分の名前を覚えてくれており、言葉は通じないながらも一緒に過ごせたのはとてもいい思い出になりました。心臓が悪く、いつもゆっくりとした動きの方ですが、最初にワインで一緒にスコール(乾杯)をしてから、時間をかけつつ、今日はほぼ全量召し上がることができました(ちなみに青柳はワインではなくジュースです。念のため)。
この方に限らず、本当に短い時間ではありましたが、ユニットの皆さんと一緒に過ごし、言葉の壁を感じつつも、手探りで関係性を築いたこの体験は、今後もずっと自分の中に生き続けていくような、それほどのインパクトのあるものだったと思います。

最後にカニヤナさんと一緒に、施設を背にして記念写真を撮りました。

異国の地で不安な中、一生懸命英語でコミュニケーションをとりながら本当にたくさんのことを教えてくれました。この研修が自分の中でここまで充実した内容になったのは、まぎれもなくカニヤナさんのおかげです。LINEを交換し、いつでも質問があったら連絡ちょうだい!とまで言ってくれました。またいつかどこかでお会いしたい気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。

いまはまだ、経験したことをいろいろ思い出して感慨に浸っているところですが、ここで学んだことはしっかり日本に持ち帰り、今後に生かしていけるようにきちんと振り返りをしたいと思っています。

H.A


 私と石井さんは13時からの研修です。「一緒に出勤するのは最初の日以来だよねー」と話しながら、二人とも言葉少なに施設へ向かいます。(それぞれの思い出に浸っているためです)
出勤するとすぐ、ロッカールームでラッケルさんとお会いしました。「今日が最後ね」と笑顔ですが、寂しそうに声をかけてくれます。一緒にユニットに入り、初めてお会いするスタッフと挨拶してからエリカさんとお会いしました。彼女はいつも通り笑顔です。聞くと8時から8時までの長時間勤務の日、と。「疲れたわ」と髪を直しながら苦笑いです。私は拙い英語でこの施設で研修できたこと、エリカさんが担当でよかったこと、本当に感謝していること、この施設がとても気に入ったこと、日本に帰って「自分が住みたい」と思える施設を目指して頑張りたいことを伝えました。少し泣いてしまいましたが、彼女は「わかったわ、座りましょう」「あなたはフェイスブックかインスタグラムしてる?」とリビングに促してくれ、しばらくフィーカしながら互いの話をしました。フェイスブックもインスタグラムもしていないので、メールアドレスをお知らせします。「写真を送るから返事を頂戴ね!」と。プライベートな話はほぼしたことがなかったので、今日、新たに知る情報がたくさん。私は英語の勉強をすることを約束しました。その後、隣のユニットの石井さん、ラッケルさん、他のスタッフも合流してしばらくフィーカしました。エリカさんは「近いうちに日本に行きたいから、絶対、あなた達のボスに宜しく言っておいてね、私もボスに言っておくから!」と何度も言ってくれました。すごくすごくうれしかったです。それが叶ったら是非、舞浜倶楽部でお迎えしたい、と思っています。

ご入居者にも朝からエリカさんが伝えていてくれたようで、出勤してすぐ、「ハロー」と声を掛けてくれたMさん。「今日が最後なんだって、貴方はとてもよかった」って彼女は言ってるわ、とエリカさんが訳してくれました。なんとありがたい言葉…。スウェーデン語も英語もほぼできない私なので、ほとんどお役には立てなかったと思いますが、Mさんから頂いた言葉は本当にうれしかったです。Eさんは「日本に行ったことがないから、エリカと一緒に私も行くわ」と言ってくれました。ちなみにEさんは99歳です。102歳のSさんは「日本は遠すぎる、私は日本の事はほとんど知らない」と仰りながらも「ホンダ(車)を知ってる、貴方はボルボ分かる?」と英語で話してくれました。ユニットで唯一の男性、Cさんはお休みケアの際に「sushi.kafe」のメニュー表を見せてくれました。なんでも先週末に家族と外食された、と。ひとしきりお話しした後にご挨拶すると少し驚き、最後には素敵な笑顔で「グッドラック」と握手をしてくださいました。何も出来なかった私に皆さん、優しすぎます。短い研修期間でしたが、本当にこの施設とご入居者、スタッフが好きになりました。特に担当してくれたエリカさんへの感謝は言葉では言い表せません。たくさんの優しさを頂きました。すぐにはお返しできないけど、必ず何らかの形でお返ししたいです。

休憩時間には施設外周を散歩しながら写真を撮りました。昨日、Eさんとエリカさんと散歩したコースです。

 若干の晴れ間が…海がきれいです

こんなにボートが止まってたんだ。
昨日は車いすを押しながらで、全く余裕がありませんでした

 ずっと同じポーズで歩いていたご老人。

休憩から戻るとPTのエリザベスさんの体操が。
本日はヒーリング音楽をかけながらヨガの様な瞑想の様な、ゆっくりと深く呼吸しながら身体を動かしていました。この後、1階でタクティールケアもされていました。

 
ピザを作っているエリカさん。カメラ目線はレアショットです。
疲れているはずですが、今日も綺麗です。
青柳さんの施設と同様、こちらの施設の夕食もピザでした。

勤務後にEさんが「写真撮ろうよ!」と。
エリカさん達と撮った写真は後日、共有する予定です。

 今日はたくさん泣いてしまうかも、と覚悟して向かいましたが、エリカさんが「研修は最後だけど、これから会えなくなるわけじゃないし」と最初から最後まで笑顔で接してくれたので、大泣きすることなく、笑顔でお別れできて良かったです。彼女のこういう性格が大好きです、何度救われたかわかりません。熱いハグを交わし、連絡を取り合うことを約束しました。(いつ日本に来てくれるかなー♪)
帰りは、ラッケルさんと石井さんと同じトラムで帰りました。研修中につけていた名札も持ち帰って良い、と言っていただいたので宝物にして持ち帰ります。電車の中では、ラッケルさんに私が研修中に書いたご入居者のマニュアル(手書きのイラスト付き)をお見せしました。ラッケルさんは大笑いしてくださり、「写真撮っていい?ボスに見せたいわ」と写真まで撮ってくださいました。下手ながらも書いてみて良かった、もともとはご入居者の事を少しでも早く覚えたい、帰国しても忘れないように、と自分の為に作ったものでしたが、思わぬ形で喜んでもらえて良かったです。
本当に短い期間の研修でしたが、これほど内容の濃い、充実した研修になるとは思っていませんでした。(思ってましたが、予想を超えてきたので)私の人生の中でも忘れられない、かけがえのない思い出ばかりです。ブログにも紹介しきれなかった部分は帰国してから少しずつ、皆さんと共有していけたら、と思っています。
                                  M.K
 
 
 
 本日は施設での研修は最終日、13時から21時です。アパートメントを出てから「これが最後なんだな。」と考えると口数が少なくなります。もうこの景色は見られないかもなと思いながら目に焼き付けて施設に向かいます。最終日も担当はRaquelさんです「今日で最後ね!」と挨拶の時に言われ、お互いに切ない表情です。最後まで泣かないぞ。

 まず昨日ご逝去されたUさんが使用していた福祉用具をユニットの倉庫から、施設全体の倉庫に移動させます。歩行器とシャワーチェアは3階の施設持ちの福祉用具倉庫に、エアマットは1階の大きな備品倉庫に移動させます。保管場所が別々なのはエアマットは大きくて棚に乗りきらなかったためだそう。最終日にして初めて倉庫に入りました。そして本日はおむつ類や消耗品が届いたとのことで、2階の2ユニット分を持って行き、2等分してから居室に配っていきます。無くなる前にストックが増えて一安心です。3階にはジムのような機械でリハビリするトレーニングルームもあるとのことで、これも最終日に知りました。

施設持ちの福祉用具たち
急な状態の変化に対応する事ができます。
 
歩行器、シャワーチェア、リフト、クッション等々
様々な種類が保管されています。

 居室に消耗品を配っている最中に、Uさんのご家族が来訪され、本日出勤のスタッフが一緒にお話をします。最期のご様子、Uさんとの思い出、指輪をご家族が引き継いだこと。スタッフもご家族も泣きながらハグしたり、涙を拭いたり。悲しみの時間を共有して、ご家族を励まして、励まされて。立ち話で5分ほどでしたがとても濃い時間でした。この場にも同席させてもらい、ご家族も「あなたこの前も会ったわね。」と大変な時に声をかけて頂きました。

初めて訪れた時よりも
紅葉が進んでいます。
時間が経ったことを感じます。

 15時頃からあるご入居者の居室を訪問します。以前ブログにも載せたスウェーデンで有名な女性のIさんのお部屋です。彼女は私の事を気にして下さっていて、「もうあのジャパニーズガールは帰っちゃったの?」と何度かスタッフに聞いていたとのこと。最後の日にはご挨拶に伺うと約束をしていたので、一緒にお話をします。彼女は英語を思い出しながらゆっくりお話しし、私もスムーズに話せないため、会話は止まることもありますが、理解し合えていると感じました。Raquelさんいわく、「彼女はスタッフと合う合わないで相性が難しいけど、ナツコの事は気に入っていて、よく話しているの。」と仰っていました。何かお互いに通じるものがあるのかもしれません。訪室してから約1時間と少し会話して、「私は目が見えなくて、何人もの医師に何もできないと言われたけれど、人生は続くの。幸せな気分をキープしたいけど、時々泣いてしまう。全ての事にはスタートがあれば終わりがあって、私は人生を最後まで私らしくいたい。」とやさしい話し方で、しかし芯のしっかりしたお人柄が出ているなと思いました。「クリスマスのグリーティングカードを送りたいの!」と仰っていただき、施設のアドレスを聞いて絶対に送りますとお約束しました。約束したものの、どう書くんだろうかと思い、ちゃんと調べようと思います。

 16時過ぎには夕食の支度が始まっていました。夕食はモッツァレラチーズのピザとサラダです。生地を延ばして具材を乗せてオーブンにかければ出来上がりです。徐々にいい香りが広がっていきます。16時30分ごろには合間を見て日勤帯の状態の共有、記録を実施します。「○○さんがこんな様子だった」「○○と言っていた」と話し合っていきます。その後17時から夕食を提供します。Raquelさんがピザを大胆に大きくカットしてお出ししますが、すぐに召し上がられて皆さんの食事量について凄いなと改めて思います。本日のGさんは普段から夕方以降は疲労感が強くなるとのことで、傾眠がちで声掛けしながら覚醒を促します。少し食べては休んでを繰り返し、あまり食べられずに食事を終了しました。水分は取れるように介助します。

夕食のピザとサラダ
手作り美味しかったです!

 夕食後にはオヤスミケアに入っていきます。あぁ、これで最後のおやすみなさいかと噛みしめるように挨拶をします。皆さん徐々に笑顔を見せてもらえるようになったので寂しく感じます。昨日可動式のリフトを試したいつも泣いているSさんは、リフトの使用は取りやめたとのことです。リフト使用中に混乱して動くと転落の危険性もあるためとのこと。何かほかの方法が無いか考えるそうです。安全に配慮して安心できるものが見つかると良いなと思います。

 オヤスミケアが落ち着くと、今まで一緒に過ごしてきたスタッフとフィーカをしながら挨拶をします。写真を撮ったり、アドレスを交換したり。これで最後じゃないから!とお話しして、明日から通わないんだと実感しました。21時までの予定を20時に帰っていいよとのことで、三浦さんとRaquelさんと一緒に帰り仕度をします。ユニフォームと鍵をお返しして、名札は「分からないけど持って行っていいよ。」と頂きました、大切にします。トラムの最寄り駅まで近道を分け入って行き、車内では色んな話をします。「スウェーデン人のボーイフレンドを作ってスウェーデンに住めばいい。」「夏は本当に街が素敵になるからぜひ来てみて!」などなど。「私は”さようなら”は言いたくないの。だってこれが最後ではないから。」と駅に着いたホームで涙しながらハグをしたらつい口から「I love you!」という言葉が出てきて、Raquelさんも「I love you,too.」と。
 この研修に参加する事ができて、Raquelさんと出会う事ができて、自分の介護観に別の視点が生まれた感覚がします。今までの見方だけでなく、こういう見方、考え方もあるなと考えられるようになりました。自己決定、個人の尊重、ノーマライゼーション、日々のケアのちょっとした動作、ご入居者の機微に気付くこと、仲間を思いやり皆でチームを作っていくこと等々。スウェーデンの良さ、日本の良さ、それぞれあります。日本に帰ったら皆さんと色んな話をして、いいねやってみようかと、同じ方向に向かっていけることに挑戦していきたいなと思っています。皆様お話しさせてください。よろしくお願いします。

 

 明日はストックホルムの総復習をしたいと思います。
N.I
 

2017年10月17日火曜日

研修16日目 2017.10.16



 本日は、7時から13時の早番の勤務です。4時半に起きて準備をし、アパートメントを出ます。早番研修は今日が最後です。7時前の出勤だと少しずつ空が明るみを増してきますが、ほとんど真っ暗な状態です。日本でも数年は日勤の勤務しかしていなかった私が、スウェーデンで無事に早番の研修を終えるとは…。そしてスウェーデンでの通勤も明日が最後、一人での通勤は今日が最後(明日は石井さんと同じ時間の研修です)だなーとかなり複雑な心境で施設へ向かいました。

いつも通り時間に余裕をもって到着し、タイ出身のTさん(ユニットのムードメーカー)とフィーカです。Tさんに日本人の親友がいること、タイにご主人がいること、千葉県で海鮮を楽しんだこと、スウェーデンには准看護師の資格をとるために来ていること等をお互い拙い英語での会話でしたが、共有しました。私が浦安のディズニーリゾートのそばにある施設で働いていることを伝えると「オーソーグッド!」と嬉しそうに言ってくれました。

ロンドン帰りのエリカさんも出勤し、いつも通り、手分けしておはようケアと朝食の準備を進めます。午前中のフィーカまではいつも通りでしたが、本日は早めに昼食の準備に取り掛かる様子。確認すると誕生日の方がいるので、そのセッティングをする、とのこと。週末用のテーブルクロスを準備し、テーブルの配置もいつもと変えてスペシャル感が満載です。パーティルームからお皿とグラス、キャンドルも拝借してきました。

                                   
朝食のテーブル。先週とランチョンマットが変わっています。

打ち合わせしながらセッティングを進めます。
エリカさんのセンスが光ります。高級レストランのよう。

メニューの確認。お皿も特別なので、扱いも緊張…

キャンドルをともしてセッティング完了です。
本日の主役に声をかけます

いつもはテーブルに配置する飲み物も今日は特別。
カウンターに用意し、スタッフが聞き取って注ぎます。
アップルサイダーが登場です。
また、エミルさんが持ってきてくれたワインも加わりました。

昼食のメニュー。
マッシュポテト、野菜サラダ、ソーセージ(野菜ソース)
テーブルコーディネート一つでいつものワンプレートがかなりグレードアップします。
しみじみ、演出って大事です。昼食では、何度もEさんに「グラッティス!!」、そして
「スコール!」と乾杯をします。いつにもまして和やかな雰囲気でお食事を摂りました

 実は、昼食の前にお誕生日のEさんと近くの海が見える場所までお散歩にも出掛けました。研修初の外出対応です。Eさんは普段は歩行器で自立ですが、外出ということもあり、厚着をして車いすで出掛けます。(ちなみに施設のエレベーターが使用できず、階段で昇降することになったので、車いすを持ち上げて運びました)エリカさんと私もコートを着て出掛けます。施設から徒歩圏内に海が見える場所があるのも知らなかった私…。新発見でテンションが上がります。Eさんの希望をかなえるお散歩の実現。舞浜倶楽部でのお誕生日の事を思い出しながら、色々と考えました。

風は強いけど暖かくして出掛けたし、大丈夫!!

Eさんと海辺で記念撮影。エリカさんが撮ってくれました。貴重なツーショット。
Eさんから手を差し伸べて握ってくれました。大切なお誕生日にありがとうございます。
風は強いけど気温は高めです。二人の笑顔をお見せしたいけど、残念。

 エミルさんと青柳さんがお昼頃にこちらの施設を見学に訪れました。SQCのふみえさんも同行しています。日本語が話せる女性、石井さん以外は久しぶりで嬉しい!
この機会に、と私達の担当のラッケルさんとエリカさんも交えてお話の機会を作ってくれました。いくつか質問して応えていただいた中で、一つをご紹介します。
私はこちらの施設ではタクティールケアは導入されていない、と説明していましたが、それは間違いであることが本日、分かりました。シルビアシスターはいないが、社内に認知症についてさらに学んだスタッフがおり、認知症の方への対応では特にアドバイスがあること、ブログでもたびたび登場するPTのエリザベスさんは施設内の必要な方数名にタクティールケアを行っているとのこと。また、ラッケルさんとエリカさんの二人も以前に基礎講座は受講しているものの、時間の関係等で日常的に行っていない為、手技を忘れてしまっているが、良いツールであることは理解している、と話してくれました。エリカさんからは「タクティールを受けた人は皆、喜んでいた。自分もとても気持ちよかった」とうれしい感想を頂きました。
その後、エミルさん達と一緒に青柳さんの研修先へと向かいました。行ってみたかったので、楽しみです。行くまでの道のりが、長かったです。青柳さんは毎日、こんなに通勤に時間をかけていたのか…自分達がいかに恵まれていたのか、改めて思い知らされます。施設の中の様子の紹介は省かせていただきます。両施設を見学しての感想は「両施設とも、時間が穏やかにゆるやかに流れていて、落ち着ける空間だ」と言うことが共通点です。新しい施設、歴史のある施設と差があったり、ハード面の違いも、環境面の違いも少し感じました。ですが、両施設ともご利用者の尊厳を大切にしていて一人ひとりのアセスメントがなされた上で必要なケアを提供しているんだな、と感じました。より青柳さんの実習先の方が、ご利用者の自由度が高いように感じました。(この表現が合っているかは分かりませんが)スヌーズレンとゆりかごのような機械(日本製らしいです)の貴重な体験もできました。

明日はいよいよ研修最終日です。午後からの研修になります。エリカさんへの質問と最後に研修でお世話になった感謝の気持ちをきちんと伝えられるようにこれから英訳に挑みます。
M.K



 本日は8時から14時の研修で久しぶりにRaquelさんと再会します。「Are you OK?」お互いに声を掛け合ってユニットに入ります。そこには普段ならまだ出勤していないはずの施設長と看護師がすでに来ていて、静かな空気間の中、フォトフレームのような物とろうそくを準備しています。Raquelさんがどうしたのか会話して泣いています。ハグをしたり肩を組みながら5分ほどスウェーデン語で会話した後に何があったのかお話ししてくださいました。先日一緒にケアに入ったUさんが夜間中にご逝去されたこと、あの時居室で泣きながらハグした時に彼女はもうこうなることを感じていたんだとお話ししてくださいました。フォトフレームにはお名前と今日の日付が書かれていて、ろうそくに火をともしてリビングに一緒に置きます。居室に伺うと綺麗に洋服を着て、お花をもってベッドに横たわっています。同じユニットのご入居者に声をかけて一緒に居室に訪室して、泣きながらお別れのごあいさつをします。そしてRaquelさんとハグをして彼女との思い出をお話しして、これが自然とグリーフケアとなっている様です。いやグリーフケアとは思っていない、自然な流れです。私も一緒にお祈りさせてもらいます。別のユニットや看護師、理学療法士だけでなくご入居者もお別れのあいさつで訪室して時を過ごします。私は日本ではご入居者を居室に招くことは見たことが無かったので、少し驚きました。同じユニットのご入居者は親戚や家族、仲間と同じような繋がりを感じる方もいて、それはとても自然にお別れをしている、大切な時間だと思いました。研修生の私も招き入れてもらえたこと、お別れのあいさつができたことを感謝します。


 9時30分頃まではオハヨウケア、朝食、シャワーと一人ひとり伺いながら介助をしていきます。Raquelさんとご入居者との間であうんの呼吸があるように、スムーズにケアが進んでいきます。「お!それそれ」ととても嬉しそうな表情をされたり、ご本人と相談しながらケアをしている姿もあと少ししか見られないと思うと少し悲しくなります。

口腔ケア用のレモン味のグリセリンが付いた綿棒
さわやかな香りがします

 Uさんとのお別れのあいさつが落ち着いてから、居室から理学療法士と看護師が協力して車いすや歩行器、シャワーチェア等の福祉用具を引き上げていきます。何やら使用していた福祉用具の確認をして行きました、対応がとても速いと思います。
 また、その後にはケアスタッフから相談を受けたようで、あるご入居者の福祉用具の見直しをするようです。毎日泣いているSさんのベッドと車椅子間の移乗介助について、現在は電動で高さが調節できる歩行器を使用して、ベッドから立ち上がり歩行器で数歩前進して方向転換して車いすに座るという方法を取っています。歩行器の使用方法は、座位時歩行器の高さを低くしていてアームをつかみ、立ち上がりと同時に高くして立位が安定するようにします。最近移乗時に混乱や興奮がみられ、ベッドに座り損ねそうになったことがあり、体の動きや認知症からくる理解力の低下について評価して、可動式のリフトの使用を試そうと廊下に持って来ていました。その後の使用については移乗するタイミングで見るとのことで、私はまだ見学できていません。明日できたら良いなと思います。 

 10時30分ごろからは昼食の支度を開始します。本日のメニューのメインの名前が発音が難しくて聞き取れませんでした。大きなウインナーに縦に切り込みを入れて、カットしたリンゴ・玉ねぎにマスタードを混ぜたものを挟んでいきます。そこにホワイトソースとチーズをかけてオーブンで焼く不思議な料理です。味の想像ができない料理を作っていました。本日もGさんの隣で昼食を共にします。本日は体調も気分も絶好調で、ご自分で召し上がりながらスウェーデン語でお話しされます。先日のようにスタッフが「この人は英語でしゃべるのよ。」と伝えると、流暢な英語でお話しされます。前回出勤していなかったスタッフが大笑いしながら「ファンタスティック!」と驚き動画を撮ったり近くで様子を見たり。Raquelさんも「彼女にはいつも英語で話すのよ。」と笑っています。今日も良い調子で嬉しいです。大きなウインナーで20センチほどはあったと思います、それを一人一つ、もしくは半分のサイズを召し上がります。結構な量だなと思いましたが、案外ペロッとなくなっていき、さらにデザートも満面の笑みで召し上がります。デザートはワイルドベリーの実ではなく花のシロップのようなものにクリームを浮かべたものです。人生で初めて見る料理で、味も不思議なものが続きました。ご入居者様に好評のメニューでした。
お皿の中央にウインナー
ポテトのムース
サラダ

昼食のデザート
13時前ごろから青柳さん・エミルさん・SQCのふみえさんが来て、担当のRaquelさんとErikaさんと一緒に今までの感想や質疑応答の時間を取ってもらいます。またあちらから質問を受けたり、職場の説明をしたり、エミルさんの通訳を介してお互いに知りたかった事を聞いていきます。
 社内研修や認知症の方の対応を考える会議、統一された介護の実践について、タクティールケアについて、日本とスウェーデンの介護の実際についてお話ししました。知りたかった事を確認できてすっきりして、さらにお互いを理解出来た様子です。
 私は個人的にエミルさんにお願いしてRaquelさんに伝えたいことを通訳してもらいました。今まで大変な時にもしっかり対応してもらえたこと、言葉もうまく通じない中教えて頂いたことのお礼。またRaquelさんに出会えて、一緒に活動できたことの感謝の気持ちを伝えてもらいます。最終日は明日なのにもう涙してしまう私、そしてRaquelさんも涙しながら私の事についてお話ししてくれ、何度もハグします。出会えてよかった。心からそう思います。明日を考えるとまたウルウルときます、きっと号泣するでしょう。明日もスタッフや入居者に感謝を伝えたいと思います。

 14時までの予定でしたが、そのまま青柳さんの研修先の見学をさせてもらうために早く切り上げて、地下鉄とバスを乗り継いで移動します。施設の概要はすでに青柳さんがブログで紹介しているので私からはしませんが、我々の研修先と同じなのはゆったり過ごしていることです。建物は歴史があり、内装はアットホームで温かい印象を受け、そのなかでゆったりしている光景がとても素敵でした。2つの施設を見て知る事ができて良かったです。

私もスヌーズレン体験

さぁ、明日は悔いのないように楽しく、充実させたいです
N.I


青柳は今日は午後からの勤務でしたが、エミルさんの計らいで、お昼頃にまず他の二人の施設を見学し、終了後はみんなで今度はこちらの施設に来る、という段取りを組んでいただきました。日々の報告やブログでお互いの施設については共有しているのですが、実際に見るのは初めてなので、楽しみにしていました。乗換駅でエミルさんたちと合流し、施設に向かいました。





 小一時間の滞在でしたが実際に見て思ったのは、施設が新しくてオシャレだということ。色使いやデザインにセンスがあり、清潔感を感じる空間でした。スタッフの方にも色々と質問させていただき、自分の研修先と考え方などが似ているところがあるような気がしました。もっと滞在していたかったのですが、時間もあるため、全員で次に向かいます。

トラム、電車、バスを乗り継ぎ、バス停からは徒歩で向かいます。途中なかなかトラムが来なかったりと、1時間以上の大移動になってしまいました。お二人の施設は再開発の進む新興住宅地らしいですが、こちらは歴史のある郊外地区です。
全員でユニットに行き、2人をカニヤナさんに紹介することができました。そのあとは自分の案内で施設内を紹介したのですが、中庭やいろいろな部屋に入って説明するたびに、ここの施設について知識が深まっている自分に気づき、研修中の様々な体験を思い出しつつ感慨深いものがありました。

それでも初めてのことがひとつ。


また青柳がくつろいでいる写真です。三浦さんのブログにも少し触れられていましたが、これは電動で揺れるロッキングチェアのような椅子です。もともとはスヌーズレンの部屋にあったそうですが、今は他のユニットに置いてあり、今日は電源を入れてもらい、みんなで代わるがわる寝転んでどんな感じか体験してみました。耳元でリラックスできる音楽が鳴り、心地よい揺れが眠気を誘います。時々ですが、実際に入居者の方も利用しているとのこと。なかなかいいものでした。

皆さんユニットの夕食を見学したのちに帰られましたが、自分とエミルさんはもう帰国までお会いする予定はなく、この施設の玄関でお別れです。こっちに到着してからは空港に迎えに来てくれたり、滞在先に連れて行ってくれたり、また研修中もなんどか施設に来ていろいろな質問を翻訳して聞いてくれたりと、様々な場面で本当にお世話になりました。またいつかお会いできることを願っています。

明日はとうとう研修最終日です。楽しんで来ようと思います。
H.A

2017年10月16日月曜日

研修15日目 2017.10.15

 本日も3人そろってのお休み2日目。私は初めての連休です。
前々から相談して、3人とも興味があったヴァーサ博物館に行こう、と計画しました。また、同じ島の敷地にあるスカンセン野外博物館にも行ってみよう、と決めました。
心配していた天気でしたが、今日はスウェーデンで見たことがないような青空。風もなく、寒さも厳しくありません。まるで私たちのお休みを祝福してくれているかのようなお天気です、日頃の頑張りが評価されたかな、なんて思いながらご機嫌でお出掛けです。

今日は、あえて電車ではなく、今までのっていないフェリーにも乗ってみる事にしました。事前にエミルさんからお聞きしていたガムラスタンのフェリー乗り場へ向かいます。
本当に天気がいい!

 ウキウキで乗り場へ向かいます

 以前も紹介したトラベルカードで乗船できます

船の上で、久しぶりに3ショットを撮ってみました

遊園地も見えてきます

3人とも行った北方民俗博物館の後ろにヴァーサ博物館がありました。
フェリーを降りてからも少し歩いたのですが、本当に天気が良く(何度も繰り返しますが)紅葉がきれいで気持ち良く歩けました。散歩だけでもいいと思います。

 いよいよ到着。博物館の建物も重厚感があります。
行列でチケットを買うのに少し時間がかかりました。ちなみにチケットは120クローネ。
バスで集団の観光客等も訪れています。さすが、人気スポットですね!


中へ入ると…薄暗い中に「!!!」いきなり、ヴァーサ号がそびえ立っています。
すぐ後ろの男性は「ワオ!!」と。私も外国人ならそう言っていたかもしれません。
大きすぎて写真に収まりません。しばらく圧倒されます。

 こちらは10分の一の模型です。写真に撮りやすいのでこちらもご紹介
また、説明には多国籍に対応できるよう、10カ国ほどの言語で訳されています。
2001年には、来館者が2000万人を達成したそうな。私達は何人目だったんだろう…

 実際の装飾品。右側のカラフルな状態で出航したようです
他に船員達の洋服や食器、スプーン、大工道具や大砲等が展示されています

 こちらは6階から撮影したヴァーサ号です。
やはり、すごい迫力です

ここでもヴァーサ号をバックに3人で撮ってみました。

私はあまりにも知識不足で博物館に行ってしまった(「昔、残念ながら沈没した船だよね」くらい)ので、もう少し事前情報があればいろいろ楽しめたかなーと反省し、ショップでヴァーサ博物館の日本語訳のパンフレットを購入してみました。
ヴァーサ号が処女航海の見物客も見守る中、あっという間に沈んでしまったこと、未だに沈んだ理由は解明されていないこと、333年もの間海底に沈んでいたこと等を知りました。知識なく行っても船体の迫力や保存状態に驚きながら、十分楽しめましたが、勉強してから行ったらもっと違う発見ができたかもしれません。パンフレットを持ち帰りますので、興味がある方は私までお声掛けください!
それでは、スカンセン野外博物館のレポートに移ります。
K.M

ヴァーサ―号博物館から歩いてスカンセン野外博物館まで向かいます
紅葉がとってもきれいです

到着!
さぁ、念願の場所へ 
 ヴァーサ号博物館の次に向かうのは同じユールゴーデン島の中にあるスカンセン野外博物館です。1891年にオープンし、過去500年の約160棟の伝統的な建物を全国から移築し、その時代を再現しています。工房町や教会、農園などがありその時代の衣装を着たガイドが時代背景を案内してくれます。3人とも絶対に行きたいねと話していたところなので、向かっている最中からドキドキしてきます。
 エントランスを入り、もらったマップを見ながら進んでいきます。ベビーカーを押している家族、友達と来ているグループ、デートしているカップル、観光客と、様々な人たちが来園しています。初めはずっと上り坂で少し息を切らしながら登っていきます、結構な上り坂です。まず見学したのが工房町のエリアです。薬屋さん、パン屋さん、陶器屋さん、民家があり、当時の建物に衣装を着たガイドが当時と同じ生活をしています。民家であれば女の人が編み物をしていたり、パン屋さんはお店に出て実際に焼いたパンを売っています。道には鶏が自由に歩いて草を食べていたり、中にはクジャクまで歩いていました。3人は徐々にスカンセンの少しメルヘンな世界観にハマっていき、「あれ可愛いね」「再現がすごいね」と話しながら見て回っていきます。

坂の上から別世界
 
 工房町を回ります
 
薬屋さん。
ガイドの店員さん、買い物客が何やらお話し中

民家
壁紙も家具もおしゃれです
若い女性がソファで編み物中
 工房町を抜けると高台になっていて、周りの景観を写真で撮りながら進みます。どこの風景を写真で切り取っても綺麗で絵になるので、ついつい何枚もシャッタを切っていきます。中には何なのか分からない建物もありましたが、圧倒的な存在感です。園内も紅葉していて葉が黄色くなっていて、赤い壁の建物と緑の芝生、青い空ととてもきれいな色が目に入ってきます。

 高台から
 
 赤い壁が目を引きます

夏至祭の飾りつけも

 スカンセンには動物園のようなエリアもあり、山羊、牛、トナカイ、ヘラ鹿、熊、アザラシ、カワウソ、フクロウ、馬・・・ここに挙げればきりがないのでこの辺で。動物園にいるような動物と、農園で飼われている動物、北欧ならではの動物を見る事ができて、気分が上がりました。特にヘラ鹿は日本では見られないので大きさと足の長さに驚きました。来園者に人気だったのはなかなか姿を現してくれないアザラシで、かじりつくように待って、一瞬姿を見て「オーーー!」と盛り上がっています。なかなかの恥ずかしがり屋なのか本当に一瞬顔を出しただけで潜っていきました。青柳さんの研修先のホース(馬)セラピーが見られないので、ここにいる馬を見て一旦散策を休んで「お腹空いたからお昼ご飯にしよう!」ということになりました。園内にいくつかレストランがある中で、伝統的なスウェーデン料理を食べられるお店に行きます。ここから先は後編へ続きます。
葉っぱ美味しいかな
 
大迫力のヘラ鹿
ランチはここで

写真だと伝わりにくいかもしれませんが、今日は本当にいい天気で、空気が乾燥しているからか色がはっきり見えてとっても素敵な場所でした。
N.I

スカンセンで十分動物と触れ合った後、公園内のお店でご飯を食べることにしました。昨日は和食でしたが、今日はベーシックなスウェーデン料理です。
こども動物園の近くのお店で、14時ごろでしたが結構込み合っていました。中で注文した料理をお皿ごと持ち出してお店の目の前のベンチで食べる人も。家族連れが多く、とっても天気が良かったので、こども達的にはそっちの方がいいのかも。

中に入り、行列に並んで注文です。メニューは壁にかかっており、スウェーデン語と英語が併記されています。石井さんが写真を撮り、店員のお兄さんに見せながら説明したところ、すぐに通じました。滞在中はカメラや翻訳アプリなどいろいろなツールを駆使しながら、なんやかんやでスウェーデン人とコミュニケーションをとっているのです。

おしながき。
我々が注文したのはメニューの一番上の料理です。
ミートボール、マッシュポテト、クリームソース、コケモモジャムのワンプレート。
ちなみに値段が3種類あるのは大きさの違い。我々は並盛です。

ミートボールはスウェーデンではとてもポピュラーなメニューです。
スーパーにもたくさん売っており、すぐに手に入ります。研修先の施設でも入居者のお食事としてたびたび提供されています。今日のはソースも肉にもしっかり味付けがされていて、おかわりしたくなるぐらいでした。
そして、隣にあるのがコケモモのジャム。コケモモはスカンジナビアでは広範囲にわたって自生しているそうで、歴史的にも昔から食用にされてきた食材です。スウェーデンではこのメニューのように肉団子に添えて食べるのが定番で、当初はミートボールに甘いソースが不思議でしたが、施設でもいろんな肉系の料理に普通についてくるため、今では当たり前になってしまいました(ちなみに我々は入居者さんと同じものを、同じテーブルで一緒に食べています)。
そしてそして、マッシュポテトもこの国では定番で、どこで食べてもきめ細かく舌触りがなめらかです。一見量が多いように見えたとしても、ぺろりと行けてしまうのです。

広いスカンセンを歩きまわって少し疲れていた我々。おいしさもひとしおでした。
二日連続で満足したのでした。


夏至祭のポール。

青柳は新浦安で今年の夏至祭の実行委員を務めました。前日には大教室にポールを立てて飾り付け、当日はレンタルの民族衣装で皆さんとダンスを踊りました。
今日スカンセンの公園内で発見したのはなんだか見覚えのあるポール。思わず写真を撮ってしまいました。本物は想像以上に背が高い!今日は久しぶりに青空が広がっていたため、もし本場の夏至祭に参加したらこんなカンジの写真になるのでしょうか。
太陽の光が貴重な北欧。この季節はすぐに日が暮れて朝も薄暗く、滞在中は曇り空ばかりで日の光をあまり浴びられていなかったこともあり、太陽を貴重な、さらには神聖なものとして感謝するという風習や考え方は、たった3週間の滞在ではあるのですが、肌で感じて理解できたような気がします。
これに限らず現地に来て見聞きすることで、改めて実感し、考えたりすることが多いです。日本とは違う国へ行くことの醍醐味ですよね。今回勇気を出して応募してよかったです。

明日からまた3人とも研修が始まります。
休日でリフレッシュしたぶん、頑張っていきたいと思います。

H.A