2017年10月7日土曜日

研修6日目 2017.10.6

 本日も13時から19時30分の勤務でRaquelさんについて研修をしました。
13時に視覚障害のある方の居室に昼食をお持ちし、Raquelさんが食事介助をしながら日本の思い出、スウェーデンの事、ご本人の事についてお話ししてくださいました。なんでもスウェーデンでは有名な方とのことで、90代とは思えないほど肌が透き通っていて、お上品でとても美しい方です。日本に行ったことがあると嬉しそうにお話ししてくださいました。視力がほとんどないとのことで居室内にはほかの部屋にはない手すりがついていたり、音声を読み上げる機械が置いてあったり、福祉用具が充実していました。
 

 皆さん食事が済んで落ち着いた頃に急にフロア中にアラーム音が鳴り響き、スタッフがあちこちに走り出しました。ガスの報知器が反応してアラームが鳴ったとのことで、業者に電話をして対応してもらい、特に問題はなかったとのこと。この時の対応の速さには驚きました。上長への報告や、スタッフ間の声の掛け合い、ご入居者やご家族への安心するような声掛け、業者への連絡は皆さん落ち着いて迅速に対応していた姿が印象的でした。

 14時から15時までは本日のアクティブのネイルの時間でした。アクティブの環境づくりとして、ダイニングで実施しましたがしっかりテーブルセットを整え、手を置くための赤いタオルを置いて普段との違いを演出します。またワインが置いてあり、「赤と白どちらにします?」と伺いながら提供して、”ワインを飲みながら優雅に爪のお手入れをしてもらう時間”となっていました。施設のスタッフがネイルを施しますが、お一人プロ並みのネイルアートを実施できるスタッフがいて、彼女の周りには待っているご入居者が常にいる状態でした。ネイルの色ですが、赤や濃い色を希望される方が多く、ネイルアートも日本人の感性にはあまりない斬新なデザインでとても素敵です。皆さんお互いに「ヤッテフィン!(素敵!)」と声をかけていました。ちなみにパルスオキシメーターを使用するためにどこかの爪を塗らないといったことはなく、すべての指に綺麗に施していました。

 まずはワインを飲んでから、爪切りから始めましょう
 私の爪きれいでしょ?  はい、とっても♪
 デザインがアーティスティックです。

15時30分からは夕食の支度が始まりました。今晩はハンバーグとゼリー、サラダ、ゆでたポテトになっています。ハンバーグにかけるソースはスウェーデンの伝統的なソースとのことで、ミルク、水、お肉用ソース、ケチャップ、しょうゆ、塩、コショウ、バターで作っていました。「これがスウェーデンの伝統的な食事よ。」と説明をしてもらいました。
 17時からご入居者と一緒に食べましたが、皆さん手が止まることなく召し上がっていました。一つのお皿にすべて盛り付け、混ぜながら召し上がっていましたが、食事とゼリーを一緒に食べる習慣がないため違和感を感じました。ご入居者は普段のように召し上がっており、これもスウェーデンの文化なのだと感じました       
              
スウェーディッシュソースよ!
メインはハンバーグ。伝統料理です。

17:45ごろから夕食の片づけやオヤスミケアを実施しました。
 本日の一番印象に残ったこともRaquelさんの対応でした。「She is everyday,everytime sad.」と説明してもらった女性は、毎日いつでも悲しんで泣いていたり、居室内でマイナス発言を繰り返しています。この日は日中にご家族が来訪されており、帰られてから感情失禁が強くなったとスタッフから申し送りがあり対応を始めました。居室に行くとベッドを蹴ろうとしたり、スタッフの介助に対して手で払いのけようとして興奮している状態でした。Raquelさんは声のトーンを下げて、やさしい声色で話しかけます。まず肩や腕に触れて、徐々にハグをしてほほを寄せていき、徐々に興奮が落ち着いてきました。そのままオヤスミケアを実施し、ベッドまで誘導します。落ち着いて来たものの、悲しい感情は普段と変わらず継続しており、対応方法についてどうしたらよいか考えている段階だと仰っていました。Raquelさんとこの女性の心が通っている瞬間を見て、その方に対して愛情をもっていて、さらにアセスメントが出来ているから出来る事なのだと思いました。興奮する前の段階で対応したいけれどなかなか難しいと仰っており、試行錯誤することはスウェーデンも日本も一緒なのだと思います。

地下鉄の車両、きれいです。
余談ですが、普段我々が乗っている地下鉄です。たまたま車両に誰もいなかったため撮影できました。とてもきれいな電車です。たまに大きく揺れるのはご愛敬とのこと。
N.I

 
青柳は今日は13時からの勤務でした。地下鉄とバスにも慣れ、車窓から景色を眺める余裕も出てきています。
出勤すると、担当のカニヤナさんが誰かのご家族のような女性と一緒におり、そしてある入居者の方の居室に行って戸棚を開けたりして、いろいろと話をしていました。ひと段落した際に紹介をうけましたが、やはりある方の娘さんとのことで、カニヤラさんはコンタクトパーソンだそうです。スウェーデン語の会話はさっぱりわからないのですが、説明を受けなくてもなんとなく「普段の様子を伝えてるんだな」「物品について話しているんだな」と見当が付き、あとで確認するとやはりそういった内容を伝えていたそうです。カニヤナさんにコンタクトパーソンの仕事について改めて説明してもらうと、『家族に連絡をとり、普段の様子、例えばリハビリをしたとか、食事をちゃんと食べて元気ですとか、逆に調子が悪いようですというようなことを伝えるのが一番の仕事よ』とのことで、日本とスウェーデンでも家族支援の考え方や方法は大きく違ってはいないようでした。ちなみに来所された娘様は『コンタクトパーソンとして彼女はパーフェクトなのよ!』と仰っていました。

今日はスタッフが少なくアクティビティもないようなので、タクティールをしたいとカニヤナさんに申し出てみました。快く受け入れてくれたのですが、昼食後でリビングに人が少なく、あまりタクティールを好まれない方しか残っていませんでした。それでもある女性の方に話をしてくださり、ついにスウェーデンで初タクティールを実施しました。


残念ながら、途中で「もういいわ」と言われてしまい中断となってしまいました。明日以降機会を見つけてリベンジをしたいと思います。

さらに今日はいろいろカニヤナさんにまとめて質問をしてみました。

Q認知症ケアで気を付けていることはなんですか?
A『会話ね。話をすることがまずは大事。ゆっくりと、急がせたりせずに話をするの。動作を付けるときもゆっくりとね。反対に、話すだけじゃなくて時にはしっかりと聞いてあげることも大切よ』

Q認知症ケアで難しいことはなんですか?
A『これも会話だと思う。認知症の人は自分のことをうまく人に伝えられないから、その人が何を伝えようとしているのかしっかりと受け取ることが必要だと思うわ。例えば誰かが怒っている。でも何で怒っているのか、おなかが痛いのか、頭が痛いのかすぐにはわからない。その人が何を求めているのか、把握するのが難しいわ』

Q職員に対して研修などはあるのですか?
A『あるわね。認知症の研修で、症状や会話の仕方を学んだりするわ。他にも衛生に関する研修もあったり…。認知症の研修だけでも半年に3~4回はあったと思う』

Qこの施設のコンセプト、特徴はなんですか?
A『セーフティ。まずは安全に暮らしてもらうこと。次にここを家のように感じて暮らしてもらうこと。病院ではなく、家ね。そしてここでずっと元気で暮らしてもらうこと(”stronger"という表現をしていました)。ここは自分で歩いている人が多いけど、ずっと自分で歩けるような生活をしてもらうことね』

質問に対してすぐにぽんぽんと、英語の苦手な自分にもわかるような表現の回答が返ってきて、とても参考になりました。なんというか、ケア職員としてのプロ意識というか、プライドのようなものを感じました。また、しっかりとケアの理念が頭に入っているからすぐに回答がでてくるんだな、とも思いました。また気になったことを聞いてみるつもりです。

H.A



 本日は施設実習始まってから初めのお休み。午前中は、ほか二人も午後出勤ということで洗濯をしたり、昨日の寿司パーティの片づけをしたりとゆっくりと過ごしました。英会話の準備をしている人もいましたね。偉すぎです。私もスウェーデン語のアプリを聞きながら出掛けます。

さて、私は「一人で観光しよう」(←かなり不安ですが)と思い立ち、最寄り駅に向かいました。目指した先は青柳さんが研修通勤時に乗り換えで利用している「SLUSSEN]駅です。以前観光した「Gamlastan」駅の隣で行きやすいかなと思ったのと雑貨屋さんを見てまわる目的です。余裕があればガムラスタンにももう一度行きたい、と出掛けました。
ストックホルムの駅には様々なアート作品が飾られています

スルッセン駅に到着!周囲は工事をしていて「どこで進めばいいのやら…」

フェリー乗り場を通り過ぎ…

少し芸術に触れようと「フォトグラフィスカ」へ向かいました
建物自体がオシャレで目を引きます
洗練された空間でアートに触れ、少し感性が磨かれたような気がします

お土産を買い、高台に登ってみました。
ガムラスタンの遊園地や街並みと運河を同時に臨めます(感動)
もう少し晴れていたらもっときれいだったかも…欲張りません。
フェリーにも乗ってみたい!

さて、芸術に触れ景色を楽しんだ後は…
雑貨屋さんがあつまるセーデルマルム地区を散策です
ここでもお土産を買いました。若者が多く活気がある地区です

「もう少し歩けそう」とガムラスタン方向に運河の上にかかった橋を歩き進みます

本格的な自転車がビュンビュン走っていくので注意が必要です

きれいな景色…のはずですが。。
 ここのベンチ周辺を見て気付いたのですが、ご入居者のコメントにもあったようにストックホルムの町にはゴミが捨ててある事がほとんどありません。なので、こんな風に服やゴミが少しでも散らかっているととても目立ちます。きれいな景観をおさめようとカメラを構えていましたが、こんな写真も撮れました。これを見た時に思ったことがあります。どうせやるなら徹底してやらないとその場面だけ見てしまった人がいたとしたら町のイメージも変わってしまう、と言うことです。「ほとんどが出来ていても一部出来ていない所があると悪目立ちしてしまう、、」そんな事を思いながらガムラスタン駅に入りました。

さて、予定よりも早めでしたがトイレにも行きたくなり最寄りのALVIK駅に戻る事にしました。余談ですが、私は先日のガムラスタン観光でカードで支払うタイプの公衆トイレにチャレンジし、失敗した(結局助けていただきましたが)トラウマを克服できずに未だに抱えています。なので「外出先でトイレにはいかない」と固く心に決めているのです。

初めての一人歩き、ドキドキしながら歩いていたのでオービック駅に着いた時の安心感と言ったら…。不思議ですが、「今はこの駅が私のホームなんだな」と実感しました。

オービック駅周辺でも前から気になっていたオシャレなお店でお土産を買い、夕食の買い出しを済ませてホテルへ戻りました。お土産は帰国してからのお楽しみにさせてください。
私以外の二人は帰宅が遅くなります。先にブログを済ませ、夕食を作り帰宅を待ちたいと思います。二人のブログから今日あった出来事を知ることができたり、このブログが3人をつなぐきっかけになってくれている気がします。これからも楽しく充実した生活ができますように
                                 M.K




13 件のコメント:

  1. 研修お疲れさまです。ネイルのアクティブとても素敵ですね。いつまでも女性はきれいでいたいということですね。電車の中も日本とはやはり違っていてとてもきれいですね。日本の電車は世界一時間に正確と聞いたことはありますが、スウェーデンの電車は時間はどうですか?遅れたりしますか?

    一人で街を歩けるということはそれだけスウェーデンは治安がいいということですね。町並みが本当に素敵ですが、やはりそんな中にもごみが落ちている場所もあると、他がどれだけきれいでもやはり残念な気持ちになってしまいますね。これは日本でも言えることですね。
    研修ももうそろそろ中盤ですね。ブログを読んでいるとすごく皆さんが充実した日々を送っているのがすごく伝わってきます。がんばってくださいね。
    富士見 小松

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  2. 小松さんコメントありがとうございます。そうなんです、私でも怖い思いすることなく、余裕で歩けます。ただ、トイレが心配なだけで。
    今日は3人とも勤務の日でした。どんなブログを書くか相談しながら書いていこうと思います。1週間無事に終わりましたー。
    明日はケアマネの試験日ですね。皆さん落ち着いてベストを尽くせますように…祈ってます!! 富士見三浦

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    1. 電車の時間ですが、日本と表記が違うんです。「○○行き○分」とあと何分で到着するかでお知らせしています。時刻表はありますが、そちらを頼りに動いていますね。遅れていても気にさせないための努力でしょうか。
      石井さんが昨日ブログに乗せた電車は数年前に新しくなったばかりらしく、車掌さんが一人一人車内でチケットを確認するのも新鮮なスタイルです。本当に日々、発見が多いですね。 富士見三浦

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  3. 小松さんお疲れ様です。皆さん身だしなみを整えられていて、特別なことではなくいつもしてるといった感じを受けますね。

    治安の良さはとても良いと思います。周りで「ヤーパンスカ(日本人女性)」と話しているのが聞こえてくるので、気にはなるようですが。

    ケアマネ試験、ファイトです!
    富士見 石井

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  4. トイレは僕も、トラウマです、思うんですけど、スウェーデン人は膀胱がでかい筈です。超人並みにトイレに行かない。
    あと、青柳さん!タクティールケア!グッジョブです!!
    中島

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    1. 中島さんお疲れ様です。
      こっちの人たちは寒い国なのにトイレに行きたくならないんですかね?こっちは駅にトイレがないので、通勤がちょっと不安です(笑)早め早めを心がけています。
      タクティール、この日は途中で拒否でしたけど、その後はリベンジを果たしました!(笑)
      新浦安 青柳

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    2. 中島さんお疲れ様です。トイレ問題ですが(笑)一応、外出中に公衆トイレの使用(コインタイプ)に成功しトラウマは克服できた事をご報告しておきます。ただ、私も青柳さんと同じで早め早めを心がけることとトイレのありそうな場所をいつも探すのが癖になっています。日本とは大きな違いですね。寒いせいもあって日本の湯船とウォシュレットが恋しいです。 富士見三浦

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  5. お三方、お疲れ様です。研修もお休みの日もとても充実した日々を送っているんだと思います。うらやましいです。確か、この次期にスウェーデンはアイスホッケーのシーズンかと思います。ストックホルムより電車で行った所に会場があると思うので、是非に生のホッケーを見て来て下さい。その駅にはH&Mがあったりしていてショッピングモールになっていたかと思います。
    あと10日間ですので、身体に気を付けてください。 富士見 平塚

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    1. 平塚施設長お疲れ様です。
      それぞれ観光スポットを調べて、行きたい所に一緒に行ったりしています。アイスホッケーですか、エキサイティングですね、調べてみようと思います。
      ありがとうございます。風邪をひかないように気を付けます。
      富士見 石井

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    2. 平塚施設長お疲れ様です。コメントありがとうございます。
      アイスホッケーですか、それは知らなかったです。3人で休みが合う日もあるので、調べてみますね!
      残り10日を切りました。悔いが残らないよう、頑張ります! 富士見三浦

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    3. 平塚課長お疲れさまです。
      おかげさまで毎日楽しく過ごしています。
      アイスホッケーですか。さすが寒い国ならではのスポーツですね。ちょっと調べてみます。
      新浦安 青柳

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  6. ケアマネ試験も無事に終わりました。ネイルの時間もワインを飲みながらゆっくりと時間が流れている感じを富士見でもやってみたいですね。地下鉄も使いやすくて車内もオシャレですよね。三浦さん、トイレは私も苦戦しました(笑)佐生

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    1. 佐生課長お疲れ様です。
      富士見で音楽かけながらゆったりアクティブをしてみたいですね。地下鉄は分かりやすいですよね、心に余裕が出てきました。
      富士見 石井

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