2019年10月13日日曜日

研修12日目 2019.10.12

 Hej! Det är lätt regn idag.(今日は小雨です) 台風の方は大丈夫でしょうか?
宿泊先(10階)から見るAlvik駅
 今日は、3Fユニットでの11:45から出勤となります。今日は初めての土日出勤。
 11:45 出勤。早番のカタリーナさんとインゲヤードさんと一緒に働きました。昼食の時間が近づくため、T様とM様に声掛けをする。この時、L様はあまり落ち着かず居室にてインゲヤードさんと一緒にお話をされていました。
 
昼食(ベジタリアンミート(ミート、人参、マッシュルーム)、ビーツ、サラダ、ライス)
12:00 昼食開始。L様はいつもは居室にて召し上がれているが、この時はダイニングにて他入居者様と職員と一緒に召し上がれていました。
 12:30 昼食後、L様が居室にあったジャケットを着て外に行こうとされていました。インゲヤードさんが止めて傾聴し居室に戻っていただき、そのジャケットを別の部屋の所に保管していました。おそらくジャケットを着るとすぐに外に出ようと思われるためにやられていると思います。落ち着きがなかったため、インゲヤードさんが居室にて傾聴対応に入りました。しかしそれでもあまり落ち着かず、12:45に頓用薬を内服しました。

 12:45 Z様のご親戚の方が車椅子を押しながらダイニングに来られる。今日はZ様の誕生日とのことで、1Fのある部屋(Z様の居室の隣)で家族や親戚等で集まってお祝いをしていまたそうです。それによってまだ昼食を召し上がれていなかったとのことので、インゲヤードさんがZ様の食事介助に入られました。
1FのZ様の部屋の隣、右側の部屋にあります。ここで家族・親戚と一緒に誕生日会を開きました。

左:料理を作ることもできます。右:中庭もついていて、そこからは湖も見えます。
  ここで上図に説明してあるのを加えて、いつもは非常用通路と野菜の冷蔵庫保管として使われているとのことです。誕生日会などでやるときに、この部屋を使われているそうです。こんなアットホームなお部屋でやるというのも良いですね!


 15:00 FIKA開始。今日のFIKAは、Swidishキャンディーとクッキーとチョコレートになります。左下図がそのキャンディーであって、茶色い物はエッグ形で、ピンク色の物はサンタクロースであります。いずれも甘くてキャンディーを食べているかのような味です。サンタクロースのキャンディーは少し固い(?)マシュマロみたいな物でした。
 
今日のFIKA
  15:10 職員にT様のタクティールケアをしても良いですか?と提案したところ、インゲヤードさんが「OK.」と言ってくださり、T様にも伝えて了承を得ることができました。T様のご希望で居室にて手のタクティールケアを実施しました。左手はしっかりとできましたが、右手は拒否されました。理由としては左手はうまく動かせないが右手はしっかりと動かせる(ジェスチャーで殴る仕草あり)と仰ったうえで、あまり受けたくないとのことで拒否されました。実施中は親切にゆっくりと笑顔で英語で喋ってくれて、途中で中断されてもお互いが楽しく会話ができたのかなと思いました。
 インゲヤードさんとカタリーナさんから、「L様もやってみれば?」と提案されて、その時の状況は比較的に穏やかではあったので、訪室して足のタクティールケアを実施しました。その時インゲヤードさんとカタリーナさんも一緒に座って見守られました。
L様の足のタクティールケアの様子
実施中は、窓を眺めたり、ソファーに手を何度も叩いたり、同じことを何度も仰ったりすることもありましたが、ゆっくりと手技を行い、時にはアイコンタクトをして行いました。最後の5分程、目を閉じられてリラックスされている様子が伺えました。実施後、「Hur är det?(どうでしたか?)」と伺うと、「Aha~。」と少なくとも良い反応を示してくださったのかなと思いました。

 15:45 サバさん(研修3日目に山下さんと一緒に撮った方)とミットラさんと一緒に働きます。インゲヤードさんとカタリーナさんは16時に退勤されました。

 16:30 L様が落ち着かなく、サバさんはL様と一緒にリビングに座ってTV鑑賞をしました。L様が同じことを言ったり外に行こうとしたりしていました。サバさんは気を紛らわせるために懸命に試行錯誤してコミュニケーションを取っていることがわかりました。例えば、職員の名前をあてたり、「Titta.Titta.(見て。見て。)」とTVの方に関心を向けさせてそのTVの説明をしていたりしていました。時にはL様がサバさんの名前をあてると褒めたりもしていました。途中2FからA様が階段で登って来られて、ソファーに座って、長いブランケットをサバさんとA様とL様の膝にかけて一緒に過ごす場面もありました。しかし結局少しは落ち着いたとはいえ、立ち上がって居室に戻られました。
 指導者のレナさんから「サバさんはケアに関して色々なアイデアを出してくれている。」と聞いていたので、そのことが今日の場面で何となくわかるような気がしました。

 17:30 夕食開始。ダイニングにてM様とT様とL様とV様と一緒に召し上がれました。
夕食(今日の昼食で出たベジタリアンミート、サラダ、ハッシュドポテト)
 17:40 L様が落ち着きがなく、「今、外に出たい。」と何度も仰り、エレベーターに入ろうとされることがありました。ミットラさんから「一緒にエレベーターに乗って、下がって上がってから、お部屋に戻ってもらってもいいかな?」と聞かれましたので、L様と一緒に付き添いました。居室に戻ることができましたが、再度居室から出られることがありました。合計3回エレベーターに乗り降りしました。3回目にはマッシさんと会って、一緒に近くのポストボックスへ行き、L様にリンゴを1個提供し、L様は居室に戻られました。その後は居室から出られることなく落ち着かれました。

18:40 サバさんと一緒にV様のオヤスミケアに入りました。ここでV様が使っている福祉用具の一つを紹介したいと思います。
便器の所に置いてある、車輪付きシャワーチェア
このシャワーチェアは高さが便座より高く設定されています(そもそも便座自体の高さが少し低い)。このシャワーチェアで車輪のブレーキを外してシャワーを浴びたりします。また日本で普段トイレ介助をするときに便座から車椅子に移乗すると思いますが、その必要はなく、このシャワーチェアを使って移動し、そこからベッドへ移乗介助をします。車椅子への移乗介助の負担が軽減されるので、私的には良い福祉器具だなと思いました。
 その後は、職員間と会話をしたり、TVを見ていたりして、今日はこれで終了となりました。
 最後に私が今日すごく気になったことがありましたので、紹介したいなと思います。
左図:Y時ベルトのついている車椅子。右図:一種のつなぎ服みたいな寝間着。
左図のY時ベルトに関しては、V様が歩けないのに立ち上がろうとすることがあるから、つけているとのことでした。右図は多分パンツとかを脱いでしまうのを防ぐためだと思われます(サバさんの説明によれば)。スウェーデンの施設でもこのような対策等をしている所があるんだなと個人的に意外であるとともに新鮮な感覚でした。過去に行った先輩方はこういうの見たことはありましたか?(また逆質問ですみません) そして皆さんはどう思いますか? これは後にエミルさんが来所される時にも改めて聞いてみようと思います!
そんな発見をして、色々と考えていた一日でした。
吉見





山下です。本日二人は11:45出勤の遅番研修です。

土曜日のせいか、平日よりゆったりした雰囲気です。
今日はスウェーデンのケアと日本のケアの違いについて考えてみようと思います。

木に掛けられた施設の表札。ステキですね!

SIÖBERGA GÅRDは市から一人当たり120万程援助を受けています。そのうち自己負担は一人13万程。払えない方は市が全額補助とのこと。とても恵まれています。
スウェーデンでは、医療・福祉・教育のサービスが充実し、人々は失業や健康上の問題が生じても、安定した生活が送ることができます。
そして、この豊かな福祉政策を支えるのが高い税負担です。消費税も25%と先進国では最高の水準です。実際に外食すると一人249kr.(日本円3200円程)、チョコレート1枚26kr.
(日本円330円)と物価が高いことを実感します。
スウェーデンの人々はそれぞれの能力に応じて納税し、必要に応じて文配することを原則に、国民が連携して資源を分け合うという意識が強くあるので、この仕組みが成り立っています。

スウェーデンの高齢者は息子や娘と一緒に住むことはありません。経済的に自立していて、自分の年金で暮らします。不足すれば、住宅手当など補助が出て、自宅で出来るだけ自分で暮らし、それがちょっときつくなったらホームヘルバーの助けを得て、もっときつくなったらサービスハウスに入ります。
日本だったら、娘の家におかあさんを引き取ろうとするのではないかと思います。
でも、スウェーデンではお母さんの世話は社会のプロフェッショナルがするべきだと考えるそうです。責任は国にあると! 
ここにスウェーデンと日本の違いを感じます。

スウェーデンの方の考えに「ラーゴム」というものがあります。「すごくいいわけでもないが、すごく悪いわけでもない」「暑くなければ寒くもない」ほどほどにという心のあり方を持っていること。
自然の中で暮らしているスウェーデンの方は笑顔とおいしいものがあると幸せ。そして、とても優しく温かい気質であること。
それらが、スウェーデンのケアの根拠となって、ゆったりとしたケアが生まれるのではないかと思いました。
ゆったりしてるのは、決して入居者様の数が少ないからという理由ではないことは確かです。
ゆったりと過ごす時間は、認知症の方のBPSDに効果があると思います。
研修に入って12日目、ゆったりとした時間を過ごすということは、認知症の方にはとても大切なことだと確認できました。

今日一緒の勤務だった職員のマッシーさんに質問。
Q.「この仕事は好き?」
A.「ヒフティ、ヒフティね。」
Q.「なぜこんなにゆったり出来るの?」
A.「ハート!」、、と答えてくれました。

「ハート」とはなにか詳しくは聞けませんでしたが、愛情をもって入居者様に接するということでしょうか。私もSIÖBERGA GÅRDにいて、入居者様、職員の方々の愛情、温かさをいつも胸に感じます。
そして、ストックホルムの街にたくさん出て、家族や友人と過ごす人たちの日常の様子をもっと見てみたいと思っています。
自分の感性を磨くことも、きっと認知症ケアに役に立つことだと信じています。

先日、リーダーのレナさんが説明してくれました。SIÖBERGA GÅRDでいう「自己決定」とは、一日中パジャマでいることではないし、一日中寝ていることでもない。入居者様は自分でコントロールが出来ないから、私たちがいいものになるように助けてあげないといけないのだと。例えば、M様はベッドに食べ物を持ち込んで食べようとする。私たちは、M様が席について食べられることを知っている。だからこそ、ベッドで食べてはいけないことを伝えることも大切だと。ダメなことはダメと伝えないといけないと言われたことが、とても心に残りました。

SIÖBERGA GÅRDには各フロアに大小のリビングが隣接されています。これは、疾患で大きな声を出してしまう入居者様が他の入居者様に影響を及ばさないように配慮して、小さなリビングで離床してもらうことにも使用されています。
こういう大小のリビングが富士見にもあるといいですね。

大きなリビング

隣接する小さなリビング


大型台風が関東を直撃したと聞き、心配しています。
被害はありませんでしたか。新浦安、富士見のみなさん、大変お疲れのことと思います。
鉄道ダイヤも乱れて、通勤も大変苦労されたのではないでしょうか。
こんな大変な時に、本当にありがとうございます。


明日も遅番です。頑張ってきます!
山下









9 件のコメント:

  1. 昨日10月12日、台風19号が関東地方を直撃し、今日は東北地方に抜けていきました。「今まで経験したことのない暴風雨、少しでも命を守る行動をして下さい」とアナウンサーが繰り返していました。関東では避難勧告が出る地域もありましたが、冨士見サンヴァーロは大きな被害もなく無事に朝を迎えられました。泊り込んだスタッフもいて、皆さんの頑張りのお陰ですね(私はお休みでした(;^ω^))

    ブログを拝見して思うこと。。。日々の研修内容を事細かにアップしてくださって、
    お二人の一生懸命さが本当に伝わってきます。
    今回は吉見さんのタクティールの制服での写真が特に素敵です。ランニングの途中で迷子にならないのかと心配になるほど、色々走っていますね。楽しそうです。
    山下さんの小エビのオープンサンドは本当に美味しそうです。カフェの写真と案内もまたお願いします。こちらも楽しそうです。
    どうぞリフレッシュしながら、頑張って下さいね。 冨士見事務 北村

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    1. 北村さん、コメントありがとうございます。
      富士見が大きな被害がなく無事に朝を迎えられたことにホッとしています。
      くれぐれも皆さんにも、お身体と安全には気をつけてください。
      ジョギングに関しては迷わない程度に走っているつもりです。それでも色々な景色が見れて気持ち良いです。また色々と走ってみるつもりです。
      皆さんには、感謝しています。
      残りの研修もリフレッシュしながら頑張っていきます!
      吉見

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    2. 北村さん、いつもコメントありがとうございます。
      ネットでNHKアナが台風19号報道で落ち着いたアナウンスに絶賛の声・・とありました。「こころに訴えるアナウンスをしてくれる」「アナウンサーの見慣れた顔と声で落ち着きをもらった」とありました。私も現場でそうありたいと思いました。
      新浦安、富士見の皆さん本当にお疲れ様でした。そして、ありがとうございました。
      山下

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  2. 台風が過ぎ去り、ブログを心置きなく見れる時間が出来、ほっとしています。泊まり込み、入居者の安全をどう守るか、ピリピリした数日間でした。行き届かなかった部分で職員を心配させたりもして、自分の反省も多かったです。日頃の何気ない当たり前の幸せを感謝する今です。それは仕事の仲間もそうですし、ライフラインもそうですし、家族も。ケアマネの試験も中止という前代未聞の事でした。これから、またコメントさせてもらいますね 
    早く読み切りたい!
     中島

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    1. 中島さん、お忙しい時にコメントを頂き、ありがとうございます!
      今この研修を受けられるのは、皆さんのおかげがあったからこそのことだと思い、感謝しています!
      そして私のこんな長ったらしいブログを書き込んでしまい、すみません!それだけ自分が感じていたこと・報告したいことが色々とありすぎている次第でごさいます。読み切るのに時間がかかるかと思います(汗)。
      コメントを待ってます!
      新浦安の職員の方にも、よろしくお伝えください。
      吉見

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    2. 中島さん、コメントありがとうございます。
      台風の影響で13日に予定されていたケアマネの試験が中止になり、今後の対応については「未定」とのこと。ケアマネを受験する予定だった方にとって、今後が心配ですが頑張って下さい!
      そして、中島さんはじめ、新浦安、富士見の皆さん台風の対応お疲れ様でした。大きな被害もなく安心しました。
      山下

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  3. 吉見さん、山下さん

    お疲れ様です。
    ブログを見るのが楽しみになっていますが、目に入ってくるのは写真ばかりです。
    仕事をしているのに、良くわからず失礼をお許し下さい。

    写真を見ていると、とてもテンションが上がります。特に料理の写真は、
    海外だなあって思います。もちろん風景もです。
    しばらくは、海外なんて。と思っていましたが、行きた~い・・・・!と素直に思いました。

    ところで、リフレッシュの方は如何ですか?
    仕事で海外に来ているのだと思わず、休みは有効に使って楽しんで下さい。

    事務管理 永山でした

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    1. 永山さん、コメントありがとうございます!
      施設で作られる料理も美味しくて、施設からの眺めも良いですし(特に晴れている日は)、内部の作りや飾りも・・・、日本と違った雰囲気があるので本当に海外に来ているんだなぁと思いますよ!

      リフレッシュは・・・、まだ検討中です。でも色々と考えて調べている最中ではあります。研修もそうですが、休みも有効利用していきたいと思ってます!
      吉見

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    2. 永山さん、いつもコメントありがとうございます。
      お忙しいのに、ブログを見るのを楽しみにして下さっていて、励みになります。
      最初の頃は、ブログの作成にいっぱいいっぱいで、夜な夜な作ったり、早朝に作ったり大変でした。そのブログももう、折り返し地点に入りました。
      私たちも頑張りますので、もう少しだけお付き合い下さいね。
      事務所の方々には、毎日コメントを頂いて本当にうれしく思っています!
      ありがとう~!
      山下

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