2019年10月28日月曜日

研修25日目~27日目 2019.10.27(山下)

山下です。
スウェーデンの長い冬が一歩一歩近づいて来ているようです。
私たちがスウェーデンに到着した時は紅葉が始まったころだったので、1ヵ月の早さを感じます。

25日、最後の施設研修を終えました。

最後にケアに入ったところはZ様。
前頭葉側頭型認知症で意思疎通が出来ずコミュニケーションがとれません。
しかし、職員の方は、「今日はどの服にしようか」とタンスを開けて洋服を見せています。時にはアイコンタクトをとったり、頬やおでこをタッチングしたり、たくさん話しかけたり、心からZ様に寄り添ってました。そこに、さりげない優しさと温かさを感じずにはいられませんでした。

ホーベリヤゴードの理念「入居者一人一人の尊厳を尊重し、プロフェッショナルで質の高い介護を提供すること」。リーダーのレナさんが「理念に向けて、同じ方向に向くように教育している」と言っていたことが、まさしく実施出来ていることを知り、本当にホーベリヤゴードに来てよかったと心が温かくなりました。
スウェーデンと日本、形として見えるものに様々な違いがあっても、その奥にあるものは同じだと思います。英語もスウェーデン語もままならない私は笑顔と「Hey!」の一言で乗り切りました。その中で、入居者様への想い、寄り添う気持ちが何よりも大切なことを教えてもらいました。

ホーベリヤゴードではいろんな人との出会いがあり、出会いの数だけ別れがあり、最後はお世話になった人たち、一人一人とハグをして別れました。
「忘れないからね。ありがとう!」

ホーベリヤゴードでの日々は、私にとってかけがえのない体験になりました。絶対にまた来ようと再訪をこころに誓いながら、ホーベリヤゴードを後にしました。


最後にスペシャルモーニングをしてくれました!

職員のみなさんからプレゼントをもらいました~

ケアのスペシャリスト、リーダーのレナさん。

みんなから信頼の厚いナースのカタリーナさん。

私はこのスウェーデン研修の目的に、
1.認知症緩和ケアの4本の柱が普及しているスウェーデンで、「コミュニケーションと関係」「チームワーク」「症状のコントロール」「家族支援」について、どのように取り組んでいるのか学ぶ。
2.タクティールの実施。言葉によるコミュニケーションが難しいので、タクティールを通じて信頼関係を深めていきたい。タクティールケアは、認知症の周辺症状に効果があると言われているので、その効果についても確認したい。
3.スウェーデン長期研修というすばらしいチャンスの中で、自分自身も成長していきたい。と掲げてきました。

施設研修を終えた今、私の目的は十分に果たせたと感じています。
現場のあらゆるところで、緩和ケア理念の4本の柱に通じるケアを見ることができました。
言葉が通じなくても、タクティールケアがコミュニケーションのツールになってくれました。そして、たくさんの経験をし学び、自分自身、成長させてもらえました。

帰国後はスウェーデンで学んだことをどのように今の現場で実践していくかを考え、行動に移していかなければなりません。それが私たちの責任だと思っています。
ここからがさらなるはじまりです。

”ホーベリヤゴード(森・湖・庭)”



ありがとう! また来ます!

おわりに
ホーベリヤゴードというステキな環境の中で、1ヵ月無事に研修が出来たのも、この研修を最後まで導いて下さった北島さん、忙しいさなか支えて下さった舞浜倶楽部のみさなま、温かく優しく迎えて下さったホーベリヤゴードの職員、入居者のみなさま、架け橋をして下さったコーディネーターのエミルさん、SQCの裕子さん、陰ながら応援してくれた友人、いつもエールを送ってくれていた娘、息子。そして、一緒に研修を乗りきった吉見くん。
本当にありがとうございました。
心から感謝の気持ちを込めて。

2019.10.25 山下 真由美




引き続き山下です。
施設研修も無事に終了し、25日から4日間休日です。
吉見君はな、なんと!ヘルシンキに旅立ちました~!ムーミンに会いに?
いえいえ。それは吉見君のブログを見てくださいね。

私はというと、大好きなストックホルムをもっと見たくて、スウェーデンに残りました。
この研修中、なにより疲れた私を癒してくれたのは、スウェーデンの人たちの優しさでした。決して押し付けない、さりげない優しさと笑顔はこころを温かくしてくれます。
滞在していたアパートメントの10階の窓からは遠くにストックホルムの街並みを眺めることができました。私の大好きなローゼンダルスガーデンのある”ユールゴーデン”石畳の古い街並み”ガムラスタン”美術館が点在する小さな島”シェップスホルメン”。島ごとにいろいろな表情を持っています。
ストックホルムは都会でありながら森と湖に囲まれ、いくつもの美しい表情を見せてくれる街。そんな街に何度も足を運びたいです。

私が今日向かった先は、シェップスホルメン。ここは美術館や博物館が沢山あるアートの島。その島へ渡る橋シェップスブロンは木造の橋です。
橋からの眺めは、島に向かって右手に王宮、左手にはたくさんのボードの向こうにオレンジ色の建物が並ぶステキな風景をみることができます。橋の中ほどには大きな金色の王冠があって、記念撮影のスポットになっていました。
橋を渡って、ベンチに座り海の向こうの街並みをぼーっと眺めていました。

シェップスホルメン

”シェップスホルメン”にわたる木橋

金色の大きな王冠
橋からの眺めはステキです!



そして、橋を渡り左側に見えてくる横長の建物が近代美術館。180度パノラマで街が見渡せるミュージアムカフェ。ステキな景観です!窓側の席に座りフイーカをします。
ここのショップがまたステキでいくつかお土産を手にしました。

”近代美術館”
ミュージアムカフェからの眺め!ステキです~
アートショップにて

”国立美術館”
美術館内。
北方民族博物館はまるで宮殿のような建物。
つい100年ほど前までは貧しい農業国だったことを知りました。入口ホールにある大きなカシの木の彫像はスウェーデンを独立させたグスタフ・ヴァーサー王で、カールミレスの作品だそうです。


”北方民族博物館” まるで宮殿みたい。
スウェーデンを独立させたグスタフ・ヴァーサー王。



吉見くんが帰って来ました~ここかまた一緒。安心です!
ドロットニングホルム宮殿 ユネスコの世界遺産です。

おとぎ話に出てくる宮殿のよう。

吉見くんと行った〝クヴァㇽネン”

100年を超える歴史を誇る老舗。

店は老舗らしからね家庭的あ雰囲気。

看板メニューミートボールを注文しました。
おいしかった~

スウェーデンの美しい自然に魅力を感じ、この街にいると不思議に心がなごみ、温かくしてくれてます。
カメラを向けたくなるシーンが、街のいたるところで見つかります。トラムからは森と湖が交互に広がり、雄大な自然の中でのびのび暮らす人々の姿がそこにはありました。
この1か月間、草木が成長するように少しずつ、でも確実に関係を深め、人とのつながりの大切さを教えてくれました。人との出会いが、スウェーデンと私をつないでくれているように感じます。

スウェーデンは長い冬に入ろうとしています。雪に包まれたストックホルムの街もいつか見てみたいものです。それはきっとため息が出るくらい美しいに違いありません。

このスウェーデン長期研修を見守って下さった方々に、心からお礼申し上げます。
そして、ブログを読んで下さった方へ、本当にありがとうございました。

心から感謝の気持ちを込めて。
山下

2 件のコメント:

  1. 宮殿・・・すごいですね!!
    ブログも細かく、写真もたくさん、お二人ともお疲れ様でした、そしてありがとうございました!串崎

    返信削除
    返信
    1. 昨日、無事に日本に帰国しました。
      帰って来てすぐ「また絶対スウェーデンに行きたい!」と思いました。
      去年の今頃、串崎さんが英語の勉強を続けたいと言ってたことを思い出しました。私も同じ思いです。
      そして、2階フロアにはスウェーデンに行った串崎さん、私と二人もいます。いいフロアにしていきましょうね!
      これからも宜しくお願いします。
      串崎さん、ありがとうございました!
      山下

      削除