研修23日目 2019.10.23

山下です。
いよいよ施設研修も2日となりました。
今日は早番で外はまだ暗く、星がきれいです。そういえば、いつから星を見ていなかったのでしょう。
久しぶりの星空の下、気持ちを引き締めて出勤します。

7時。夜勤者からの申し送りです。細かい部分まで送られているようです。リーダーのレナさんもいて、「職員数が少ないから、こうしたいとういうことはすぐに決定できるの。」と言っていました。だから、ホーベリヤゴードのチームワークがいいのですね。

今日私から最後にお伝えしたいことは「終末期ケア」です。
初回の質疑応答の場で、レナさんから「終末期ケア」のお話しがありました。
ホーベリヤゴードでも、看取りケアは行っていて、家族はここで看取ってほしいと願うそうです。病院には行かず、延命治療もおこないません。
しかし、いざとなると、延命を望む家族も出てくるそうです。ある時は点滴だけつけたこともあったそうですが、自然に亡くなっていくことで多くの方が満足されるとのことでした。
一番大事なことは、不安を除くこと、そして口腔ケアをすることだとレナさんは教えてくれました。
看取りの段階で介護職員が行えることは多くありません。
その人らしく生きることを支援することで、私たち介護職員も人生とは何か、学ばせてもらっていることを忘れてはいけないし、私の経験から最期を迎える入居者様に寄り添う個々の強さも必要だと思います。
そして、私自身、家族様が到着するまで、できる限りのケアを行い、最期の灯を絶やさないようにすることを大切にしています。
終末期ケアは福祉先進国スウェーデンの考えと日本の考えに違いはないことを感しました。


今日のタクティールケアは手に拘縮があるC様の手を実施しました。
いつも声を出すので、車椅子でお部屋の窓際で過ごしています。
「今日は最後のタクティールケアです。」と感謝の気持ちも込めて行いました。
次第にA様は声を出さなくなり、青い瞳で私のことをじっと見つめています。
タクティールケアをすることで、C様が穏やかな気持ちで安心感を持ってくれてたらうれしいです。
「私は寂しかったんだよ。」という声が聴こえてきそうでした。

リビングでは翻訳アプリの声が聴こえます。用務員さんが私に向けて
「こんにちは。」と言っています。日本語を調べてくれていたんですね。
本当にありがとうございます。

感慨もひとしおです。
大好きだったリビング、大好きだった絵画、大好きった家具・・・忘れないでおこう。
そして、大好きな入居者様、職員の皆さんの顔、声、表情も目に焼き付けておこう。

大好きだった2階リビング！

大好きだった3階リビング！

いつもおいしい匂いがしていたキッチン！

日本語の上手なミッドラさんと！

人を惹きつける明るいサバさんと！

A様、今日は特別な日でもない何でもない日だけど、口紅をつけてもらって、髪の毛を結ってもらってとてもよく似合っていますよ。

A様にとって安心して暮らせる環境で幸せですね。
私の頬にチュッとしてくれたこと忘れません。

A様、一緒に散歩にもいきましたね！

明日はもうお別れですね・・・
今日という日にも、感謝して。
山下



　Hej! Det blir kallare.(段々と寒くなってきました。)
　今日は7:00～の早番業務です。エヴァさんとインゲヤードさん、途中からカタリーナさんとも一緒に働きました。今日入れて残り2日となりました。色々と聞きたいところを聞いていこうと思っています。
　7:00　夜勤職員からの申し送りを聞き、それぞれのユニットに別れました。
　7:15　T様がダイニングに来られていたので、朝食を提供しました。この時L様とM様はだまベッドで臥床されていました。その間にT様の居室に訪室して、環境整備を行いました。掛け布団カバーに何か汚れていたものが付着していたので、インゲヤードさんはすぐにカバーの交換を行っていました。
　8:10　L様が起きられたので、朝食を準備し、居室にて提供しました。
　8:50　インゲヤードさんがV様の食事介助をベッド上で行いました。その後、私がお手伝いをしながら、ベッドから居室トイレにある「例のシャワーチェア」まで手引き歩行をしました。そこで口腔ケアや更衣介助を行いました。そしてシャワーチェアから車椅子に移乗して、音楽をかけて退室しました。
　9:30　M様の居室に訪室しました。今日は入浴日であるとのことで、インゲヤードさんはこの時間にM様をトイレに誘導して、居室トイレにてシャワー介助を実施していました。その後、普段着に着替えてダイニングに誘導し、朝食をとられていました。
　ここでM様、T様、L様の朝食について紹介したいと思います。ここの施設では朝食は基本的にサンドイッチまたはヨーグルトを提供しています。嚥下状態が悪い方は別メニューで提供しています（先日のブログで紹介してあります）。M様は大体9時くらいにバターとチーズののったパン１枚だけ召し上がれています(すみません写真は撮っていませんでした)。T様とL様は以下の写真の通りになります。

T様の朝食(パン耳カットしていて、ゆで卵とローストハムをのせています。あと紅茶と牛乳もよく飲みます。)

L様の朝食(チーズをのせたパン・ヨーグルト・シリアル・ゆで卵・タラコペーストと種類が豊富。)

このように入居者様それぞれの好みや時間に合わせて朝食を提供しています。その方に合った対応をしているのだなと実感します。
　また居室にもその人らしさというものが見られることがありました。

V様の居室⓵

V様の居室⓶

　上図はV様の居室でありまして、美術品や鏡、カーテン、電気、椅子等はすべて入居者様のものです！その方が家にしたときに近い雰囲気を作り出しています。まるで家にいるかのように・・・。　他の居室にもその方が使っていたものを使っています。ちなみに写真にUPしている美術品はV様自身が昔描いたもので他にも5,6点程の美術品が飾られています。絵が趣味だったみたいです。

　10:00　ビッタさんという方が来所されました(すみません。写真は撮っていません)。指導者のレナさんが「ビッグボス」と紹介されました。後に聞いたところ、ビッタさんはこの施設のオーナーであり、看護師でもあると説明されました。ダイニングにてレナさんと正看護師カタリーナさんらと、おそらく入居者様について色々と話されていました。そのビッタさんに息子がいまして、コミューンの財務関係の仕事をされているとのことです。その方も今日来所されていました。

　10:30　L様が今から外に行こうとされていましたので、インゲヤードさんと一緒に散歩に出かけました。この日は冷たい風もあって寒かったのですが、L様は何ともなく散歩されていました。冬の時期にも雪道がなければ散歩されているとのことです。今日は1時間コースで行く予定でしたが、途中で工事中の道路にあい、Uターンして施設に戻りました。30分程で戻りました。施設に戻ってからインゲヤードさんが居室にてL様と一緒にお話をされていました。

　12:00　昼食開始。M様とT様とL様、レナさんと正看護師のカタリーナさんとも一緒に召し上がりました。L様が落ち着きがなく、職員が気を紛らわすために声掛け等をされていましたが、同じことを何度も仰る場面が見受けられました。

昼食(ハンバーグ、サラダ、ポテト)

13:00　カタリーナさんから、L様のタクティールケアを依頼されましたが、あまり落ち着かず実施できなかったので、一旦やめて一緒にスウェーデン語の本を読みました。しかしそれでも落ち着かず、「今、外に行きたい。」とのことで、ご自身でジャケットを着て居室から出られました。職員が止めて一旦リビングにて過ごして頂くが、落ち着かず。インゲヤードさんがL様と一緒に1時間コースの散歩に行かれました。

　13:30　私はL様との散歩に行かず、FIKAの準備のお手伝いをしてから、T様のタクティールケアを実施しました。ちょうどT様が居室から出られていましたが、応じて下さり、居室にて足のタクティールケアを実施しました。実施中は終始眠られてリラックスされていました。実施後は、「Very good. Thank you.」と笑顔で答えてくださいました。この時期は寒いのに、T様は半袖・半ズボンを着ています。「寒くない。」と仰っていました。また夜中寝るときは、薄いブランケットを1,2枚掛けるだけだそうです。

　14:15　L様が施設に戻られたので、居室にて足のタクティールケアを行うことにしました。実施中、体を動かすことはありませんでしたが、家族の話等を何度も仰ることがありました。私はL様とアイコンタクトを取りながら実施していると、微笑みながら反応されることはありました。実施後は、気持ち良さそうな様子が見受けられました。FIKAの時間までは落ち着かれていました。

　15:00　FIKA開始。今日は水曜日ということで、「Fine Coffee Day」の日となります。

「Fine Coffee Day」(チョコパンに生クリームとバナナとチョコフレーバーをのせたもの)

「Fine Coffee Day」の時に提供される、ウイスキー。

この日の時にはM様とL様は、水で割ったウイスキーを飲まれます。ひとつの楽しみと提供しているとのことです。

　ここで、施設のリビングやダイニングで飾られているものの中で１つだけ紹介したいなと思います。

リビングやダイニングのテーブルに置かれている照明器具(右図は充電器)。

 　これは日中・夕方にもつけている照明器具で、火のついたキャンドルのように暖色で程良く明るくなったり暗くなったりと演出してくださいます。明かりが切れてしまった場合には充電器を使って丸い箇所に入れるだけ充電してくれます。赤色の時は充電中で、緑色になったら充電完了のサインとなります。火を使わないので、安全でかつ暖かい雰囲気を出してくれるので良いなと個人的に思いました。

　さぁ、明日は施設での最終日となります。悔いのないよう、そして感謝の意を込めて、臨みたいと思います。

もうオイルがなくなりそうです・・・。

吉見